施設園芸で収量・作業時間のモニタリングを自動化するシステム

タイトル 施設園芸で収量・作業時間のモニタリングを自動化するシステム
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究期間 2013~2016
研究担当者 太田智彦
岩崎泰永
栗原弘樹
中野明正
東出忠桐
発行年度 2016
要約 栽培管理や労務管理のために施設園芸で生産したトマトなどの収量、収穫作業時間を、収穫しながら自動で効率的に記録するシステムである。開発システムで得られたデータより、収量マップ、作業時間マップを作成することができる。
キーワード 植物工場、トマト、栽培管理、労務管理、情報
背景・ねらい 植物工場などの施設園芸では、多収化による高収益化、適切な労務管理による効率化、低コスト化が重要である。このため、株ごとや列ごと、区画ごとの収量や作業時間を迅速に把握し、分析することにより、栽培管理、経営の向上を図る必要がある。これまで、施設園芸では収量や作業時間を自動で同時に測定・記録できるシステムはなく、従来の方法では、収量、作業時間は、それぞれはかりやストップウォッチで測定、記帳し、後でパソコンに入力する必要があり、煩雑であった。収量、収穫作業時間を株、列、区画ごとに自動で識別して、迅速に記録できるシステムを新たに開発し、栽培管理、経営のためのツールとして役立てることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 開発システムはバーコードリーダ、はかり、手押し台車、マイコン、ノートパソコン、無線送受信機、データ処理・送受信ソフトウェアなどから構成される(図1)。収穫果実の積載前後の重量差を計算し、バーコード(図2)によるID、果実重、測定時刻をマイクロSDに記録するとともにパソコンに転送、記録する。
  2. 利用方法は次の通りである(図3)。1)予め専用プログラムで印刷したバーコードをクリップで主茎に取付けておく。2)主茎のバーコードを読取る。3)果実を収穫し、はかりに載せて計測スイッチを押す。4)次の株へ移動する。
  3. 収量マップより、収量を記帳や手入力することなく、株ごとの収量のばらつきを迅速に把握することが可能である。列ごとに品種を変えた場合、品種別の収量のばらつきを把握できる(図4(a))。また、ハウス内気温の不均一で収量が少ない部分を抽出することも可能で、ハウス内気温の不均一さによる低温部分などを見つけることができる。
  4. 収量マップに対応した収穫作業時間マップを作成することが可能である。列ごとに品種を変えた場合、品種ごとの収穫作業時間の特徴を把握できる(図4(b))。時期や収量、作業者により異なる収穫作業時間も迅速に把握できる。例えば、収量のばらつきによる作業時間の影響を考慮し、作業計画を立てることができる。
  5. ハウス内気温などの環境データと収穫作業時間データを比較することにより、気温が上昇したときに増加する収穫作業時間、収量の変化を迅速に把握することができる。開発システムを利用した適切な労務管理により、収穫作業時間のピークを2~5割低減できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:施設園芸生産者、試験研究機関
  2. 普及予定面積・普及台数等:次世代施設園芸拠点など施設園芸生産者、試験研究機関に3年間で約30台以上普及予定。
  3. その他:1)制御システムメーカー(栄信工業(株))より受注販売予定であるが、今後他社も扱う可能性がある。2)台車が静止した状態で果実重量を測定する必要がある。株ごとだけでなく、ベンチごと、区画ごとにバーコードラベルを設置し、ベンチ、区画ごとの収量や作業時間を測定することもできる。3)はかりを用いなければ作業時間のみを測定・記録することができる。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nivfs/2016/16_035.html
カテゴリ 環境データ くり 経営管理 栽培技術 施設園芸 低コスト トマト 品種 モニタリング

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