タイトル |
畑地灌漑に用いる高圧パイプラインの漏水モニタリング施設 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 |
研究期間 |
2014~2016 |
研究担当者 |
田中良和
森充広
安瀬地一作
有吉充
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発行年度 |
2016 |
要約 |
本施設は、畑地灌漑用の高圧パイプラインの施設を長寿命化するために、管の破裂事故の原因と漏水箇所を調査するための附帯施設である。特に管の破裂事故が多数発生する管路に設置することによって調査の効果が期待できる。
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キーワード |
漏水、漏水探査、破裂、管内水圧、道路交通荷重
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背景・ねらい |
畑地灌漑用の農業用パイプラインの支線水路において多数報告されている管の破裂事故の原因や漏水箇所の位置を調査することを目指したものである。 農業用パイプラインの施設を長寿命化するための附帯施設として、管の破裂事故が多発する管路に設置して、破裂事故の原因や漏水箇所を特定する手法を開発し、その効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 本施設は、破裂事故の原因を調査するためのセンサー並びに漏水箇所の位置を探査するためのロボットの投入・回収口を設けた構造である。
- 本施設は、センサー(水圧、土圧、ひずみ)、データロガー、電源、漏水探査ロボットの投入・回収口、制水弁から構成される(図1)。本施設の寸法は、マンホール蓋の直径:900mm、内部空間の直径:1,500m、マンホール蓋から底までの深さ:2,000mmである。漏水探査ロボットの投入・回収口の直径は、200mmである。
- 管の破裂事故の原因を究明することによって、その原因を取り除くための対策方法を施して破損事故を低減させることが可能になる。現地実証地区では、道路交通荷重によりも管内水圧の変動が管のひずみに対して大きな影響を与えることがモニタリングされている。
- 本施設によって漏水箇所を特定する手順は、始めに圧力センサーによる計測結果から区間漏水の有無を検出し、次に区間漏水が疑われる箇所の本施設に漏水探査ロボットを投入する手順で行う。
- 区間漏水の有無を検出する方法は、農家が給水栓を操作していない深夜から早朝の時間帯において、静水圧の減少値を計測する方法と給水栓を1箇所操作して水撃圧の大きさを計測する方法を併用する。
- 漏水探査ロボットの投入・回収口は、水中を流下しながら計測するロボットと自走して動画を撮影するロボットの2種類を想定して設計している。その構造は、透明なアクリル板、追跡用コードのリール、回収用ネット、および制水弁から構成されている(図2)。投入可能な漏水探査ロボットの大きさは、全長は200mm以下であり、全幅は調査する塩ビ管の口径によって異なる。水中を流下しながら計測する漏水探査ロボットについては、漏水音を検出して漏水箇所を検知する方法を開発中である。自走して動画を撮影する漏水探査ロボットでは、継ぎ手のズレの検出や小さなき裂の検出が確認できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 沖縄県宮古島において本施設を2基設置して現地にて連続計測している。現地実証地区における管は呼び径200Aの塩ビ管(VP)であり、本施設の設置間隔は約200mである。沖縄総合事務局の応急対策事業において導入を検討している。
- 現在、より小型化したモニタリング施設を開発中である。具体的には既存の空気弁に取り付けて、モニタリング調査と漏水ロボットの投入を可能にしたものである。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2016/nire16_s03.html
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カテゴリ |
モニタリング
ロボット
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