自然環境適応に関わるエピゲノム多様性を解明

タイトル 自然環境適応に関わるエピゲノム多様性を解明
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門
研究期間 2012~2016
研究担当者 川勝泰二
Huang SC
Jupe F
Sasaki E
Schmitz RJ
Urich MA
Castanon R
Nery JR
Barragan C
He Y
Chen H
Dubin M
Lee CR
Wang C
Bemm F
Becker C
O'Neil R
O'Malley RC
Quarless DX
Schork NJ
The 1001 Genomes Consortium
Weigel D
Nordborg M
Ecker JR
発行年度 2016
要約 世界中から集められた約1000系統のシロイヌナズナ間の多様性に寄与するゲノム全体にわたるDNAメチル化パターンと遺伝子発現パターンの多様性を明らかにした。
キーワード シロイヌナズナ、DNAメチル化、遺伝子発現、環境適応、多様性
背景・ねらい DNAメチル化は遺伝子発現に影響を与えるため、塩基配列の多様性に加えて、DNAメチル化の多様性は形態や耐病性・環境適応性の多様性に寄与すると考えられる。本研究では世界中から集められた約1000系統のシロイヌナズナの全ゲノムDNAメチル化情報と遺伝子発現情報を網羅的に取得し、DNAメチル化パターンと遺伝子発現パターンの多様性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 遺伝子内のDNAメチル化パターンには、1種類のDNAメチル化で構成されるジーンボディメチレーション(gbM)と3種類のDNAメチル化で構成されるトランスポゾン様メチレーション(teM)が存在する(図1)。gbMを受けている遺伝子は強く、teMを受けている遺伝子は弱く発現する傾向がある(図1)。
  2. 7524個(25%)の遺伝子は系統ごとに異なるDNAメチル化パターンを示す(図2)。これらの遺伝子にはシグナル伝達や耐病性など、自然環境適応に関わる遺伝子が多く含まれている。
  3. 系統間における遺伝子発現パターンの変化は近傍の塩基配列もしくはDNAメチル化の変異と相関がある。
  4. 今回解読したDNAメチル化情報と遺伝子発現情報を公的データベースであるGEOに登録し、The 1001 Genomes Projectで同定された変異情報と共に、The 1001 Datasetとして2016年7月14日に公開している。
成果の活用面・留意点
  1. 今回の研究成果は、シロイヌナズナの多様性を遺伝子・分子レベルで網羅的に明らかにしたものである。様々な表現型情報を取得し、塩基配列情報、DNAメチル化情報、遺伝子発現情報と比較することで、DNAメチル化の機能解析及び遺伝子機能解析が可能になる。
  2. 系統間でDNAメチル化に変異がある箇所の数は、塩基配列に変異がある箇所の数と同等であることから、今後多様性研究を行う際は、塩基配列だけでなくDNAメチル化などのエピゲノム多様性にも着目する必要がある。
  3. 本研究で同定された自然環境下における環境適応に関わる遺伝子発現を調節することにより、不適環境に適応するアブラナ科作物の育種につながる。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nias/2016/nias16_s02.html
カテゴリ あぶらな 育種 データベース

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