南方さび病抵抗性で晩播できる早生の飼料用トウモロコシ新品種「さとみどり」

タイトル 南方さび病抵抗性で晩播できる早生の飼料用トウモロコシ新品種「さとみどり」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2009~2014
研究担当者 村木正則
伊東栄作
発行年度 2017
要約 飼料用トウモロコシの新品種「さとみどり」は、九州での早晩性が"早生"で、南方さび病抵抗性が強く晩播栽培ができる。晩播栽培では晩生品種と同程度のTDN収量、春播き栽培では中生品種以上の収量で耐倒伏性も強く、春播き適性も高い。
キーワード トウモロコシ、早生、晩播、春播き、飼料作物育種
背景・ねらい 飼料用トウモロコシは、九州では温暖な気候を利用して4月上旬から5月中旬にかけて播種する春播きのほか、イタリアンライグラス収穫後の5月中旬から6月中旬に播種する晩播、春播きトウモロコシ収穫後の7月下旬から8月上旬にかけて播種する夏播きが行われている。晩播で利用するトウモロコシの品種は"中生の晩"や"晩生"の品種しかなく、作付体系が限られている。そこで、春播き用自殖系統に南方さび病抵抗性を付与、それを親にして晩播可能な早生品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「さとみどり」は自殖系統「Mi29」に優性の南方さび病抵抗性遺伝子を戻し交配で導入した「Mi29SRR」を種子親とし、自殖系統「Mi114」を花粉親として育成された単交雑一代雑種である。
  2. 絹糸抽出期は、晩播栽培では"晩生"の「SH9904(スノーデント王夏)」より7日早く、"早生"の「ゆめちから」より1日遅い(表1)。春播き栽培では"早生"の「34B39(パイオニア115日)」、「ゆめちから」よりやや遅いが、"中生"の「32F27(パイオニア126日)」よりやや早く(表2)、早晩性は"早生"である。
  3. 晩播栽培では、稈長及び着雌穂高は「SH9904」及び「なつむすめ」より低い(表1)。
  4. 晩播栽培での乾物収量は"晩生"の「SH9904」の90%であるが、"早生"の「ゆめちから」に比べると10%以上多収である。雌穂が大きく雌穂乾物収量は「ゆめちから」及び「SH9904」より多い。その結果、推定TDN収量は「SH9904」と同等である(表1)。
  5. 春播き栽培での乾物収量、雌穂乾物収量、推定TDN収量は"中生"の「32F27」及び「ゆめそだち」より多く、春播き適性は高い(表2)。
  6. 晩播栽培での倒伏は「なつむすめ」より多いが「SH9904」より少ない。春播き栽培での倒伏は「34B39」及び「ゆめそだち」より少なく、耐倒伏性は強い(表3)。
  7. 南方さび病罹病程度は「SH9904」より低く、「なつむすめ」並である(表4)。南方さび病抵抗性は「なつむすめ」と同じく"極強"である。
成果の活用面・留意点
  1. 九州での早生品種として晩播栽培で利用でき、春播き適性も高い。
  2. 九州では根腐病の顕著な発生はないが、九州以外では激しく罹病した試験地があることから抵抗性は弱いと考えられるため、常発地帯での栽培は避ける。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/karc/2017/karc17_s12.html
カテゴリ 育種 イタリアンライグラス 飼料作物 飼料用作物 新品種 抵抗性 抵抗性遺伝子 とうもろこし 根腐病 播種 品種

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