タイトル |
ワラビー萎縮症及び南方さび病抵抗性飼料用トウモロコシ新品種「なつひむか」 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 |
2010~2015 |
研究担当者 |
村木正則
伊東栄作
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発行年度 |
2017 |
要約 |
飼料用トウモロコシの新品種「なつひむか」は、九州の夏播き栽培の減収要因であるワラビー萎縮症と南方さび病に抵抗性の晩生品種で、耐倒伏性や折損抵抗性も強い。晩播適性も高く、九州の夏播き及び晩播栽培に適している。
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キーワード |
トウモロコシ、晩生、ワラビー萎縮症、南方さび病、飼料作物育種
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背景・ねらい |
飼料用トウモロコシは、九州では温暖な気候を利用して4月上旬から5月中旬にかけて播種する春播きのほか、イタリアンライグラス収穫後の5月中旬から6月中旬に播種する晩播、春播きトウモロコシ収穫後の7月下旬から8月上旬にかけて播種する夏播きが行われている。しかし、夏播きでは大きな減収要因のワラビー萎縮症が発生する危険があり、温暖化にともないその被害地域の拡大、発生の早期化、症状の甚大化が懸念される。また、夏播き栽培にはもうひとつの減収要因に南方さび病があり、ワラビー萎縮症の被害が拡大する条件では同様に被害が拡大するが、ワラビー萎縮症抵抗性市販品種は南方さび病への抵抗性が十分ではない。そこで、ワラビー萎縮症被害を回避でき南方さび病にも抵抗性を持つワラビー萎縮症及び南方さび病抵抗性のF1品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「なつひむか」は南方さび病抵抗性の自殖系統「Mi91」を種子親、ワラビー萎縮症抵抗性の自殖系統「Mi116」を花粉親とする単交雑一代雑種品種である。
- 夏播き栽培では、収穫時熟度は"中生の晩"の「なつむすめ」並で、"極晩生"の「30D44(パイオニア135日)」、「SH5937(スノーデント夏空W)」より進んでいる(表1)。晩播栽培では、収穫時熟度は収穫日が3日早い「なつむすめ」と同じで、収穫日が同じ「SH9904」よりやや進んでいる(表4)。このため早晩性は"中生の晩"の「なつむすめ」よりやや遅く、"極晩生"の「30D44」、「SH5937」より早い、「SH9904」と同じ"晩生"である。
- 夏播き栽培では、稈長及び着雌穂高は「30D44」及び「SH5937」より低く、「なつむすめ」並である(表1)。
- 夏播き栽培では、乾物収量は「SH5937」並、推定TDN収量は「30D44」並で、乾物収量、推定TDN収量ともに「なつむすめ」より多い。乾物中雌穂重割合は「なつむすめ」より低いが、「30D44」及び「SH5937」より高い(表1)。
- ワラビー萎縮症の萎縮個体率、生育程度は抵抗性品種の「30D44」及び「SH5937」と同程度で、非抵抗性品種の「SH9904」及び「なつむすめ」と比べると萎縮個体率は低く生育程度は良い(表2)。ワラビー萎縮症抵抗性は「30D44」及び「SH5937」と同程度である。
- 南方さび病罹病程度は「30D44」及び「SH5937」より少なく、「なつむすめ」並かやや少ない。抵抗性は「なつむすめ」と同じく"極強"である(表3)。
- 折損個体率は「30D44」より少なく、倒伏個体率、倒伏及び折損個体率は「30D44」及び「SH5937」より少ない(表3)。折損抵抗性は「30D44」より強く、耐倒伏性は「30D44」及び「SH5937」より強い。
- 晩播栽培では、乾物収量、推定TDN収量ともに「SH9904」及び「なつむすめ」より多い。南方さび病抵抗性で倒伏や折損にも強いため晩播栽培にも適している(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 九州の夏播き及び晩播栽培で利用できる。
- 九州以外の地域や播種時期については栽培の適否が明らかではない。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/karc/2017/karc17_s11.html
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カテゴリ |
育種
イタリアンライグラス
飼料作物
飼料用作物
新品種
抵抗性
抵抗性品種
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播種
品種
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