加速度ロガーを用いた藻場海藻の生育に好適な流動環境の解明と評価手法の開発

タイトル 加速度ロガーを用いた藻場海藻の生育に好適な流動環境の解明と評価手法の開発
担当機関 (国研)水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所
研究期間 2014~2016
研究担当者 島袋寛盛
発行年度 2017
要約 海藻類にとって重要な環境要因である流動環境は、それを簡易的かつ長期的に把握するための手法がほとんどないために研究例がほとんど無い。そこでこの流動環境を市販の加速度ロガーを用いて簡易的に計測する方法を検討し、藻場植生の成因には一時的な強い流動が重要であり、種により好適な流動環境に特異性があることが解明された
背景・ねらい 藻場は様々な生態的機能を有しており,沿岸域の重要な構成要素となっている。近年、環境変動による植生の変化や消失が強く懸念されている。水産庁のガイドラインの中で、特に藻場に影響を与える要因として「水温上昇」と「静穏化」が挙げられている。静穏化とは、海岸線を人工的に改変し漁港や消波堤などを設置することや、台風の減少など気候の変化に起因する流動の変化である。大型藻類は流動により栄養塩類の吸収が活性化されることが実験的にわかっており、また藻体に浮泥が堆積すれば生育が阻害されるなど、藻類にとって流動はとても重要である。しかし水温上昇や塩分、光環境などの藻場の好適環境については膨大な研究例があるが、重要な環境条件であるはずの静穏化の影響や好適な流動条件についての研究はほとんどない。その原因の一つとして、海域の静穏化を評価する手法が極めて少ないためと考えられる。本研究では静穏化を簡易的に評価する手法として、市販の加速度ロガーを用いて沿岸域の流動を定常的に記録し把握する手法を開発することを目的とする。
成果の内容・特徴 藻場の植生毎に設置した加速度ロガーのデータを解析したところ、各調査地間、各植生間のデータはそれぞれ統計的に有意差があった。ロガーで得られたデータの中で、揺れが強いと考えられる加速度の強い値を比較した結果、クロメなどコンブ目藻類場が強い流動を好み、流動が弱くなるにつれて、クロメとホンダワラ類の混生藻場、ホンダワラ類藻場と、植生と流動の関係に相関があることがわかった。実験期間中の強い流動データが得られた時期を確認したところ、一般的に海が荒れ流動が強いと思われる夏期と冬期が多かった。日常的な流動よりも一時的な強い流動が藻場に影響を与えていることが示唆された。
成果の活用面・留意点 今回の研究により、加速度ロガーが藻場の流動環境のモニタリングに使えることが確認された。この手法により、藻場植生の変遷を理解する上での環境要因の解明や藻場造成時の適正種の選定、藻類増養殖での適地選定など多くの分野での活用が期待される。しかしまだ、本手法は同時に設置したロガー間での相対的な比較であるので、今後さらに高度化し実用化するために研究を継続する予定である。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7180&YEAR=2017
カテゴリ モニタリング

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