| タイトル | 赤潮の客観的識別手法における海色連続撮影の有効性 |
|---|---|
| 担当機関 | (国研)水産研究・教育機構 西海区水産研究所 |
| 研究期間 | 2015~2016 |
| 研究担当者 |
中野 善 |
| 発行年度 | 2017 |
| 要約 | 赤潮被害軽減のためには高頻度な赤潮観測が必要であるが、船舶調査の増強は労力面で困難である。そこで本研究では構成種別の高頻度赤潮観測技術の開発を目指し、海面連続撮影と海色の解析による赤潮判別の有効性を検証した。解析で算出した Chattonella spp. 赤潮の発生確率と各機関による調査結果が合致したことから、本解析により、赤潮を構成種別に検出できる可能性が見出された。 |
| 背景・ねらい | 閉鎖性内湾域では、夏季に急増した植物プランクトンが赤潮を形成し、しばしば天然魚や養殖魚の死滅などの漁業被害をもたらしている。また、赤潮プランクトンが死滅・沈降後、好気的に分解されることで、貧酸素水塊が形成され、底生生物の死滅に至る場合もある。
有明海では赤潮の発生状況を把握するため、県試験研究機関により、船舶による採水と検鏡が定期的に行われている。今後、赤潮の発生機構の解明などの調査研究を進めるためには、より高頻度な観測が必要となるが、従来の定期調査の増強を図ることはコストや労力の面で困難である。そのため、低コストで高頻度の観測が可能な手法の開発が望まれている。そこで本研究では、カメラによる赤潮検出技術の開発を目標に、海面連続撮影と海色の解析による赤潮判別の有効性について検証した。 |
| 成果の内容・特徴 | 2016年夏季に、有明海奥部の自動観測ブイ(沖神瀬西)に小型コンピューター(Raspberry Pi)を組み込んだ連続撮影装置(図1)を設置した。同定点の定期調査結果から Chattonella spp. の赤潮発生日と非発生日を確認し、その日の画像から赤・緑・青の輝度を抽出した。このうち赤と緑(RG値)の二変量ヒストグラムから確率密度を求めた。これを教師データとし、非定期調査日(テストデータ)のRG値から赤潮発生と非発生の尤度を求め、ベイズ推定から赤潮の発生確率を算出した。
赤潮の発生確率と Chattonella spp. の細胞密度の変動が同調していた(図2)ことから、教師データによる判別が妥当であることが確認された。また、テストデータの赤潮発生確率は、他機関によって報告された撮影定点周辺での本種による赤潮の発生状況とも矛盾していなかった(図3)。さらに、本種以外の赤潮発生日では、赤潮の発生確率は低い結果となった(図4)。以上のことから、本解析により、赤潮を構成種別に検出できる可能性が見出され、海面連続撮影と海色の解析による赤潮判別の有効性が示唆された。 |
| 成果の活用面・留意点 | 本手法では海面の乱反射により画像が白色化または赤色化することがあったため、今後、改善が必要である。また、他の海域や他の構成種においても本手法が有効であるか検証する必要がある。連続撮影装置を用いることで高頻度な赤潮観測が可能となれば、赤潮発生時の速報性が向上するとともに、赤潮発生メカニズム解明の一助となることが期待される。 |
| 研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7095&YEAR=2017 |
| カテゴリ | コスト 低コスト |
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