ウルコ遺伝資源の超低温保存法の開発

タイトル ウルコ遺伝資源の超低温保存法の開発
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 遺伝資源センター
研究期間 2013~2017
研究担当者 山本伸一
田中大介
福井邦明
野原尚子
西川智太郎
バジェアリサガ・ミリアム
渡邉和男
新野孝男
発行年度 2017
要約 塊茎で保存するため安定的な長期保存が困難な熱帯産作物ウルコに適した処理条件を検討し、アルミニウム製のクライオプレートを用いて空気乾燥で脱水する手法により、実用的かつ簡便なウルコ培養茎頂の超低温保存が可能となる。
キーワード 遺伝資源、超低温保存、長期保存、液体窒素、クライオプレート
背景・ねらい アンデス山地原産のいも類であるツルムラサキ科のウルコ(Ullucus tuberosus,図1A)は国内では栽培実績が少ないが、特徴的な食味や美しい外観により新規の食材となることが期待される。しかし、ウルコ遺伝資源を長期間安定的に保存することは、培養系を利用しても困難であり、手間がかかる。そのため、効率的で安全な代替え手法の開発が必要である。遺伝資源センターでは、栄養繁殖性作物遺伝資源の保存法としてアルミニウム製のクライオプレートを用いる新規の超低温保存法を開発している。本研究はクライオプレート法を利用して、ウルコ遺伝資源の長期保存の最適条件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ウルコを超低温保存するために、脱水条件や低温処理期間を最適化すると、大幅に再生率を高めることができる(表1、図2)。系統「U-7(JP109989)」の、1.0-1.5mmで摘出した茎頂(図1B)を用いて、5°Cで3-4週間の低温処理(図2)、0.4Mショ糖添加アルギン酸ナトリウム溶液によるプレートへの固着、1Mショ糖添加LS液で90分の脱水耐性付与処理(図1C)および空気乾燥60分の脱水処理(表1)を順に行うと、9割以上と最も高い再生率が認められる。
  2. 再生時にカルスを生じないため、超低温保存による変異の発生は非常に低いと考えられる(図1D)。
  3. 上記の最適処理条件で、他のウルコ10系統の超低温保存を行うと、再生率は73.3%から96.7%、平均して89.7%と非常に高い再生率が得られ(表2)、ウルコ遺伝資源一般に利用可能な保存法である。
成果の活用面・留意点
  1. 本手法によりウルコ遺伝資源の超低温保存が効率的かつ容易となり、貴重な遺伝資源の滅失を防ぐことできると期待される。
  2. 茎頂を乗せたクライオプレートを、直接液体窒素及び融解溶液に浸漬することで冷却および加温効率を高めることが、再生率を高くするために重要である。
  3. 幅広いウルコ遺伝資源を用いた確認が必要である。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/ngrc/2017/ngrc17_s01.html
カテゴリ 遺伝資源 乾燥 つるむらさき 繁殖性改善 良食味

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