| タイトル | 成長段階の異なるタイラギの貧酸素耐性の違い |
|---|---|
| 担当機関 | (国研)水産研究・教育機構 西海区水産研究所 |
| 研究期間 | 2016~2016 |
| 研究担当者 |
長副 聡 徳永貴久 圦本達也 松山幸彦 栗原健夫 橋本和正 中野昌次 |
| 発行年度 | 2018 |
| 要約 | 有明海のタイラギ資源の減少要因解明の一環として、成長段階の異なるタイラギの貧酸素耐性について、室内曝露試験により明らかにした。その結果、0歳(平均殻長24.3 mm)の稚貝は、1歳貝(93.9 mm)や2歳貝(146.5 mm)に比べて貧酸素への耐性が著しく低く、3.5 mg/Lの溶存酸素濃度が96時間継続する環境下でも稚貝の死亡が確認された。 |
| 背景・ねらい | 有明海のタイラギ資源の減少要因の一つとして、貧酸素水塊の影響が指摘されている。本種の溶存酸素濃度と生残の関係については、成貝を用いた研究において貧酸素に近い状況でのみ死亡することが報告されている。しかし、天然資源への影響を評価するには、成長段階別に溶存酸素濃度と生残の関係を検討する必要がある。そこで、西海区水産研究所で生産した0歳(稚貝)、1歳及び2歳のタイラギを用い、室内飼育下における貧酸素曝露試験を行った。 |
| 成果の内容・特徴 | 試験は、図1に示す装置を用いて4日間の貧酸素曝露を行い、3時間毎の生残率の変化を調べた(図1)。水温は25℃、塩分は33とした。供試貝の殻長は、稚貝で平均24.3 mm、1歳貝で93.9 mm及び2歳貝で平均146.5 mmであった。結果の概要は以下の通り。 (1)稚貝では、0 mg/L区において曝露開始12時間後に死亡し始め、18時間後に全個体が死亡した。1mg/L区では33時間後、2 mg/L区で51時間後に供試した全個体が死亡した。3 mg/L区では78時間後に供試個体の殆どが死亡した。3.5 mg/L区でも死亡が確認され、96時間後の生残率が平均で76.7%となった。4 mg/L以上の濃度では、死亡は観察されなかった(図2A)。 (2)1歳貝では、0 mg/L区で曝露開始57時間後に供試個体の全てが死亡した。しかしながら、その他の濃度区では実験期間内の死亡は観察されなかった(図2B)。 (3)2歳貝では、0 mg/L区で57時間後、1 mg/L区で84時間後に供試した全個体が死亡した。2 mg/L区でも死亡が確認され、曝露開始96時間後の生残率は平均で60.0%となった。しかし、3 mg/L以上の濃度区において、死亡は殆ど観察されなかった(図2C)。 (4)以上の結果から、タイラギ稚貝は1歳貝や2歳貝と比較して貧酸素への耐性が著しく低いことが明らかとなった。 |
| 成果の活用面・留意点 | 本課題の成果は、有明海におけるタイラギ資源の減少要因を解明する上で、重要な情報となる。また、放流に適した種苗の成長段階やタイラギの生残に適した海域の選定など、有明海におけるタイラギ資源再生に向けた取り組みへの活用も期待できる。 |
| 研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8066&YEAR=2018 |
| カテゴリ |
| 仙台湾における淡水および海水の平均滞留時間の推定 |
| 日本・ペルー共同アメリカオオアカイカ調査による加入状況の把握 |
| ヒスタミン生成遺伝子をコードするプラスミドの多様性 |