牛のアルボウイルス感染症の診断に役立つ「牛のアルボウイルス検査マニュアル」

タイトル 牛のアルボウイルス感染症の診断に役立つ「牛のアルボウイルス検査マニュアル」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究期間 2013~2017
研究担当者 白藤浩明
梁瀬徹
発行年度 2018
要約 牛に異常産等を起こす節足動物媒介性ウイルスの検査全般に関する基本的な手技、材料の取り扱い、検査結果の解釈を示すマニュアルである。家畜保健衛生所等の診断施設において、各種アルボウイルス感染症の検査や診断に活用できる。
キーワード アルボウイルス、牛、ウイルス感染症、検査マニュアル、診断
背景・ねらい わが国では、吸血昆虫が媒介する節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)による牛や他の反芻動物の感染症として、アカバネ病、アイノウイルス感染症、チュウザン病、イバラキ病、ブルータングおよび牛流行熱が家畜伝染病予防法における監視伝染病の届出伝染病に指定されている。これらの疾病については、疾病の特徴や検査の内容が病性鑑定指針(農林水産省消費・安全局長通知)に記載されており、診断基準が示されている。しかし、アルボウイルスの検査全般に関する基本的な手技や材料の取り扱い、検査結果の解釈等の診断施設に必要な情報は記載されていない。さらに、監視伝染病の原因とはならないアルボウイルスに関する情報は、検査手技を含めて一切の記載はない。そのため、アルボウイルスの検査手法に関しては、全国の家畜保健衛生所等の診断施設において、十分に統一されていない状況にある。そこで、全国の診断施設において同様の方法で検査および診断がなされることを目的として、本マニュアルを作成し提示する。
成果の内容・特徴
  1. 本マニュアル(図1)には、検査材料の採取、処理および保存方法、検査に用いる試薬の調製方法、培養細胞を用いた検査材料からのウイルス分離法、ウイルスの力価や牛血清の中和抗体価の測定法、各種アルボウイルスの遺伝子検査法についての手順が示されている。また、作業をする様子の写真や、培養細胞がウイルスの増殖に伴って変性する「細胞変性効果(CPE)」の顕微鏡観察像も紹介している(図2)。
  2. 監視伝染病の病原体であるアカバネウイルス、アイノウイルス、チュウザンウイルス、イバラキウイルス、ブルータングウイルスおよび牛流行熱ウイルスに加えて、監視伝染病の病原体ではないものの、牛に異常産を引き起こすことがあるピートンウイルス、サシュペリウイルス、シャモンダウイルス、ディアギュラウイルスについても、本マニュアルに掲載した遺伝子検査法(RT-PCR法)によりウイルス遺伝子の検出が可能である。
  3. 今後、国内や近隣諸国で新規ウイルスや変異ウイルス株が出現した場合、それらのウイルスに対応した検査法を開発し、その内容について本マニュアルに追記する。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:家畜保健衛生所等の病性鑑定担当者、国の検査機関の検査担当職員
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:国内全都道府県
  3. その他:本マニュアルは農研機構動物衛生研究部門ホームページからダウンロードできる。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/niah/2018/18_050.html
カテゴリ 病害虫 すいば

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