タイトル |
リンゴ生鮮及び加工品の機能性表示食品届出 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 |
研究期間 |
2016~2018 |
研究担当者 |
庄司俊彦
三浦富智
高橋匡
升本早枝子
竹内正彦
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発行年度 |
2018 |
要約 |
リンゴ由来プロシアニジンの「体脂肪を低減する」機能が研究レビューで示され、機能性成分含量のばらつきや安定性を明らかにすることにより、リンゴの機能表示食品の届出が可能になる。
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キーワード |
リンゴ、プロシアニジン、ドライフルーツ、機能性表示食品
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背景・ねらい |
リンゴは、落葉果樹で最も生産量が多く、青森県や長野県などの地域で生産される。リンゴ生産地域では就農人口の減少や高齢化が進んでおり、生産量は減少傾向にあることから新たな市場の開拓や高付加価値化による消費拡大が課題となっている。生産地域のJAや加工品事業者からは、機能性表示による高付加価値化が期待されている。機能性表示を可能にするためには、過去に報告された研究論文を検索、評価する研究レビュー(SR)により、機能性関与成分リンゴ由来プロシアニジン(以下プロシアニジンとする)の機能性を明らかにすると共に、リンゴ中の含量のバラツキや加工品における含量の安定性を明らかにすることにより、機能性表示食品としての届出を可能にする。
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成果の内容・特徴 |
- プロシアニジンを機能性関与成分とするリンゴのSRに基づき、「本品にはリンゴ由来プロシアニジンが含まれます。リンゴ由来プロシアニジンには、内臓脂肪を減らす機能があることが報告されています。」の科学的根拠を示すと共に、必要摂取量が明らかになる(図1)。なお、本SRは、農研機構のウエブサイトhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/f_foodpro/2016/063236.htmlにおいて公開されている。
- 地域、品種等を決定した後、選果条件である階級及び等級毎に300果程度のリンゴのプロシアニジン量を測定し、1日当たりプロシアニジン摂取量110mg/個(可食部300g)を満たす階級及び等級を明らかにする(図2)。
- 1.及び2.の結果を用いて、販売者が消費者庁への機能性表示食品の届出ができる(図3)。
- 「シナノゴールド」から調製したドライフルーツ中のプロシアニジン量は、保存時間の経過とともに減少するが、保存温度による影響が大きく、35℃では3ヶ月後までに急激な減少を示す一方で、5℃では9ヶ月後に約70%が保持される(図4)。
- リンゴ加工品では、品種や保存温度などによる影響を考慮し、加工品の摂取量を設定することで機能性表示食品の開発が可能になる。機能性表示により約20%以上の高価格での販売が可能になる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:リンゴ生産者、JA、リンゴ加工品事業者、地域公設試、普及指導機関
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国のリンゴ生産地域・36,500ha(平成29年度農林水産省統計データ)。加工品はリンゴの生産量(平成29年は約750,000t)のうちの約20%であり、生鮮または加工品での機能性表示食品の届出が可能である。
- リンゴ(生鮮)で初めて届出した「プライムアップル!(ふじ)」は機能性表示により、約30%の高価格で販売された。加工品の販売価格は現場実証製造試験によって歩留りなどを確認し、最終価格を決定する必要がある。
- 届出を希望する者は、農研機構のウエブサイト上に掲載されているリンゴ(機能性関与成分プロシアニジン)のSRを無料で利用することができる。届出に必要なファイルについての問い合わせも受け付けている。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nfri/2018/18_041.html
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カテゴリ |
加工
機能性
機能性成分
高付加価値
消費拡大
品種
ライム
りんご
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