直播栽培における抵抗性"強"品種を利用したテンサイ黒根病の被害軽減技術

タイトル 直播栽培における抵抗性"強"品種を利用したテンサイ黒根病の被害軽減技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2017~2019
研究担当者 岡崎和之
田口和憲
松平洋明
成廣翼
黒田洋輔
発行年度 2020
要約 テンサイの直播栽培では、移植栽培と比べてテンサイ黒根病の被害が大きいが、黒根病抵抗性が"強"の「カチホマレ」または「北海みつぼし」の利用により黒根病の被害が軽減される。
キーワード 直播栽培、テンサイ黒根病、抵抗性"強"品種、被害軽減
背景・ねらい テンサイ黒根病は根部が黒色に腐敗して著しい減収をもたらすテンサイの重要病害であり、排水不良圃場で発生しやすく、夏季が高温・多雨な年に被害が大きい。近年では、2010年と2016年に主に黒根病に起因する根腐れ症状が多発し、その被害面積は2010年が8296ha、2016年が4443haと、甚大な被害となった。黒根病の防除対策では、抵抗性品種の利用が防除の基本に位置付けられている(平成17年北海道指導参考「テンサイ黒根病の防除対策」)。
近年、北海道のテンサイ栽培においては、栽培農家戸数の減少に伴う1戸当たりの栽培面積の増加や生産者の高齢化を背景に、省力・低コスト化が可能な直播栽培の面積が大幅に拡大しており、2019年には栽培面積の27.9%を占め、直播栽培に対応した技術開発が求められている。農研機構北海道農業研究センターでは、黒根病抵抗性が"強"の品種として「北海みつぼし」(2016年品種登録)および「カチホマレ」(2020年品種登録出願)を育成し、黒根病の発生が懸念される圃場に普及している。黒根病は直播栽培では被害が多い傾向が指摘されているが、直播栽培における抵抗性"強"品種の防除効果については明らかになっていない。
そこで、栽培方法が黒根病の発病に与える影響および直播栽培における抵抗性"強"品種による被害軽減効果を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.直播栽培における黒根病発病程度、および圃場廃棄となる「指数4以上株率」(根の半分以上が腐敗した株の割合)についての品種間の強弱関係は、移植栽培とほぼ一致する(表1)。
2.直播栽培における黒根病発病程度は、2018年は、抵抗性"やや強"の「リボルタ」が1.9に対して、抵抗性"強"の「北海みつぼし」は1.2であり、2019年は、「リボルタ」が2.0に対して、抵抗性"強"の「北海みつぼし」が1.1、「カチホマレ」は1.5である。抵抗性"強"品種は、2か年ともに"やや強"品種と比べて発病程度が低い(表1、図1)。
3.黒根病発生圃場では、直播栽培は移植栽培と比べて明らかに根重が少なく、収量への影響が大きい(表2)。
4.直播栽培における抵抗性"強"品種の根重は、"やや強"品種の「リボルタ」対比(%)で換算すると、2018年の「北海みつぼし」は198%、2019年の「北海みつぼし」は157%、「カチホマレ」は133%であり、明らかに多い。黒根病抵抗性"強"品種の利用は、直播栽培における黒根病の被害軽減効果が高い(表2)。
成果の活用面・留意点 1.黒根病抵抗性"強"品種は、直播栽培における黒根病の被害軽減技術として活用できる。
2.2021年1月現在、利用可能な黒根病抵抗性"強"品種は「カチホマレ」のみである。
3.本試験は立枯病による影響は考慮されていない。
図表1 244482-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2020/harc20_s09.html
カテゴリ 直播栽培 立枯病 抵抗性 抵抗性品種 低コスト てんさい 品種 防除

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