不耕起播種技術を利用した飼料生産組織向け多収栽培体系

タイトル 不耕起播種技術を利用した飼料生産組織向け多収栽培体系
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2014~2020
研究担当者 加藤直樹
吉川好文
服部育男
金子真
桂真昭
髙井智之
荒川明
上床修弘
発行年度 2020
要約 不耕起播種技術を利用した3毛作体系の年間乾物収量は慣行の耕起2毛作体系と比較して65%向上する。多収効果により生産量あたりで約30%の生産費削減効果が期待できる。
キーワード 飼料作物、作付体系、不耕起播種、飼料生産組織、コントラクタ
背景・ねらい 気候の温暖な暖地では多毛作体系の導入により、年間収量の向上や台風等の気象リスクの軽減が期待できる。しかし、作付回数の増加、作付切り替え時期の作業負担の増大および作業の集中が導入の支障になっている。そこで、作付の移行を円滑にするため、飼料生産組織(コントラクタ)向けに、省力化が可能な不耕起播種技術を利用する3毛作体系(以下、不耕起3毛作)を開発し、現地実証試験の結果等から慣行の耕起栽培を行う2毛作体系(以下、耕起2毛作)と年間乾物収量および作業性、収益の向上効果を比較する。
成果の内容・特徴 1.本体系は九州南部の飼料生産組織向け多収栽培体系であり、1作目は耕起栽培でイタリアンライグラスを作付けし、それ以後は省力化のため、2作目(スーダングラス)および3作目(エンバク)に不耕起播種技術を導入するものである(図1)。
2.不耕起播種技術の導入により、耕起播種と比べ、スーダングラス、エンバクの播種作業時間は平均で58%減少する。(図2a)。また、播種適期内における播種可能面積はスーダングラスでは2.2倍、エンバクでは2.6倍に増加する(図2b)。
3.耕起2毛作の年間乾物収量1,108kg/10aと比較し、不耕起3毛作の年間乾物収量は1,826kg/10aとなり、65%向上する。10aあたり作業時間は1.4倍、同費用は1.2倍となるが、多収効果により、生産量あたりの作業時間は15%短くなる。生産費では29%の削減効果が期待できる(図3)。
4.事例経営では耕起2毛作に不耕起3毛作を導入していくと、作業時間あたり生産量は25%まで増加する。全面積(32.8ha)を不耕起3毛作に置き換えると10aあたり28千円の収益向上効果が期待できる(図4)。台風などの気象リスクによりスーダングラスの期待収量が半減する場合でも、10aあたり収益は2毛作(減収なし・5千円)より高い収益(18千円)が見込まれる。
成果の活用面・留意点 1.普及対象:飼料生産組織
2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:不耕起3毛作は九州南部を1.普及対象とし、540ha。この他、不耕起播種技術は2毛作が可能な地域で、スーダングラスでは1000ha、エンバクでは500ha。
3.その他:不耕起栽培では雑草管理方法が耕起を伴う栽培方法と異なるため留意が必要である。
図表1 244595-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/karc/2020/20_014.html
カテゴリ イタリアンライグラス 経営管理 栽培体系 雑草 省力化 飼料作物 播種 不耕起栽培

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