タイトル | 果実発色促進装置による収穫後のリンゴとブドウの着色改善 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門 |
研究期間 | 2016~2020 |
研究担当者 |
東暁史 吉村和正 本多親子 岩波宏 |
発行年度 | 2020 |
要約 | 果実発色促進装置により、着色不良のリンゴやブドウの果実を収穫後に着色改善できる。本装置はアントシアニン蓄積に最適な光条件と温度条件を冷蔵貯蔵庫内で保持でき、装置の構成品を調整することで、形状や大きさが異なるリンゴ、ブドウ果房、果粒の着色促進が可能である。 |
キーワード | アントシアニン、温度、着色改善、光、ポストハーベスト |
背景・ねらい | リンゴやブドウ果実のアントシアニン色素による果皮色は、果実の販売価格を左右する重要な果実形質の一つである。しかし、果実成熟期の高温等による着色不良果の発生が問題となっていることから、生産者からは簡便な着色不良対策技術の開発が求められている。このような背景から、新たな着色改善法として、収穫後の果実に適切な光照射と温度処理を併用することで、果皮色を改善できることを明らかにした(2019年度研究成果情報)。そこで本研究では、収穫後のリンゴやブドウ果実に適切な青色LED光照射と温度制御を行い、効率的に着色を改善させることができる果実発色促進装置を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1.果実発色促進装置は、収穫後のリンゴやブドウ果実のアントシアニン蓄積に最適な光条件(光強度20W/m2程度の青色光)と温度条件(15~20°C)を冷蔵貯蔵庫内で保持できる装置である(図1)。 2.装置は青色LEDを用いた面光源、面光源と果実までの距離を調整可能なフレーム、温度制御のための容器で構成され、これらの構成品を調整することで、形状や大きさが異なるリンゴ、ブドウ果実の着色促進が可能である(図1)。 3.1°Cの貯蔵庫内に装置を設置した場合、装置壁面の青色LEDを点灯することで生じる熱と、容器の吸排気口を調整することで、装置内の温度を着色促進に適した15~20°Cの温度帯に保持できる。 4.装置内に着色不良のリンゴ(「ふじ」、「シナノスイート」等)を置き、装置内の温度を15°Cになるように調整し、5日間照射することで果皮色が改善する(図2)。 5.着色不良の赤色系ブドウ(「クイーンニーナ」、「甲斐路」等)の果房や果粒をMA包装資材に入れ、各部屋の両壁面から青色LED光を7~9日間照射することで、着色不良果実の果皮色が改善する(図3)。 6.糖度が13度以上のリンゴ果実での着色改善効果が確認されている。また、ブドウでは、糖度が低く未着色の果実(「安芸クイーン」では糖度13度程度)では着色改善効果が得られない。以上のことから、各産地における品種毎の糖度基準をクリアした着色不良果実への適用が推奨される。 |
成果の活用面・留意点 | 1.普及対象:果樹生産者、市場・流通業者、普及指導機関。 2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等: 2021年:50台、2022年:70台(実施許諾先での製造予定台数)。 3.その他:本技術は民間企業1社と実施許諾を締結済みである。 |
図表1 | |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2020/20_026.html |
カテゴリ | 温度処理 着色促進 光条件 品種 ぶどう りんご |