タイトル | 農業水利施設地震観測記録管理用のクラウド型データベース用プログラム |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 |
研究期間 | 2017~2020 |
研究担当者 |
黒田清一郎 田頭秀和 本間雄亮 増川晋 牧野信夫 杉本里佳 |
発行年度 | 2020 |
要約 | 農業用ダム等における地震観測記録をウェブアプリ上にアプロードすることで、その波形や解析情報を閲覧し、ファイルとしてダウンロードし情報共有を行うことができる。またその作業を行うことで自動的に一連の地震観測記録データベースが構築される。 |
キーワード | 基幹農業水利施設、農業用ダム、地震計、地震観測波形記録、データベース |
背景・ねらい | 頻発する大規模地震災害を背景として、代表的な基幹農業水利施設である国営造成の農業用ダムでは、地震計システムが整備されてきた。農業用ダムの地震観測記録は、震度や最大加速度などの統計的な情報だけでなく、そのダムが地震時にどのような挙動を示したかを示す重要な資料である。またその解析手法によっては構造物そのものの状態の指標を評価することもできることから、小規模な地震も含めて全ての観測記録が貴重なものといえる。よって今後はその観測記録を共有情報として活用可能なデジタル情報化、データベース化を行うことが必要である。 本プログラムは、農業用ダムあるいは複数のダム群の地震計およびそのデータを管理する担当者を利用者として想定し、ウェブアプリ形式のインターフェースを持つソフトに地震計観測記録を逐次アップロードすることで、その情報を共有可能な形式に変換し、一方で自動的にデータベースが構築されることを目的としたものである。 |
成果の内容・特徴 | 1.本プログラムは、農業用ダムの地震計情報に関するデータベースや広域地震情報を参照しながら、地震計観測記録ファイルを入力・変換し波形情報の表示などを行うウェブアプリ型インターフェースと、入力される一連の地震観測記録から波形情報データベースを作成するプログラムから構成される(図1)。 2.ウェブアプリ型のインターフェースに地震観測記録ファイルを入力することで、自動的に数値情報に変換され、標準的なフォーマットでグラフ化される。その結果をPDFファイルなどでダウンロードすることができる(図2)。 3.数値情報等に変換された内容はダムの地点毎に時系列で自動的整理される。耐震評価の際に過去の地震計ファイルが必要となったとき等に容易に取得できる。また一連のデータに系統的な解析を行うことで、大規模地震が堤体に与えた影響や、その長期的な変化について定量的に解析すること(図3)等が可能となる。 4.ユーザは個々の地震計システムのファイル処理のためのソフトウェアなどを使用する必要がなく、またファイル変換や整理に要する時間や労力が軽減される。 |
成果の活用面・留意点 | 1.普及対象:農業用ダムの維持管理や耐震評価に係る行政部局 2.普及予定地域:国営事業で造成された農業用ダムや県営事業等造成の農業用ダム等 3.その他: 本プログラムは、自動的なデータベース構築により貴重なデータである地震観測記録の図化等による情報共有や管理の労力を軽減することを可能にするものであり、クラウドサーバや、あらゆるタイプのPC、小型LINUXサーバ等でも稼働させ、運用することができる。よって農業用ダム地震計の管理や、耐震評価に係る行政部局やコンサルタントが、地震計観測記録の情報を効率よく入手、管理する際に活用することができ、その運用方法については、それぞれのPCやネットワークの使用環境等に応じて対応することができる。 |
図表1 | |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2020/20_057.html |
カテゴリ | データベース 水管理 |