東北地方の春まきタマネギ栽培における養分持ち出し量推測法

タイトル 東北地方の春まきタマネギ栽培における養分持ち出し量推測法
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2018~2021
研究担当者 工藤一晃
永田修
山本岳彦
発行年度 2021
要約 東北地方の春まきタマネギ栽培において、収穫時にタマネギの地上部全体を圃場から持ち出す場合、タマネギが持ち出す養分(窒素、リン酸、カリ)の量は数式を用いて収量から推測することができる。
キーワード 東北地方、春まきタマネギ、養分持ち出し量、施肥量削減
背景・ねらい 東北地方におけるタマネギの春まき栽培では、施肥基準は窒素:リン酸:カリ=15:15:15(kg /10 a)とされている。しかし、この基準は実際にタマネギが圃場から持ち出す養分量より多くの養分を畑へ投入するよう設定されており、減肥の余地がある可能性がある。そこで、本研究では施肥量の削減を検討する際の基礎資料とするため、収量から養分持ち出し量を推測するための方法を開発する。
成果の内容・特徴 1. タマネギ「もみじ3号」の地上部全体(可食部 + 葉)の窒素・リン酸・カリの吸収量は、施肥量の違いに関わらず、タマネギ可食部の重量に比例して増加する(図1)。そのため、タマネギの養分吸収量と可食部重量の関係はy=ax+bの数式で表すことができ、可食部重量からタマネギが吸収する養分量を推測することができる。図1は、縦軸が個体当たりの養分吸収量、横軸が個体当たりの可食部重量(新鮮重)になっており、それぞれに10 a当たりの定植数を掛けると、10 a当たりの養分持ち出し量と収量の値となる。
2. 養分持ち出し量(kg/10 a)を推測する式は、それぞれの養分について「傾き×収量(t/10 a) + 切片×定植数(個体/10 a)×10-6」となる(表1)。例えば、収量を5 t/10 a、定植数を23,500株/10 aとすると、タマネギによる窒素の持ち出し量は8.1 kg/10 aとなる。現行基準に従って窒素を15 kg/10 a施用すると、15-8.1=6.9となり、約7 kg/10 aの窒素はタマネギに利用されないと推測することができる。
成果の活用面・留意点 1. 本成果は、主に東北地方の春まきタマネギ栽培に対して施肥量の削減を検討する際の基礎資料となり、品種は「もみじ3号」を対象とする。
2. 本成果は、福島県の黒ボク土圃場と低地土圃場、岩手県の黒ボク土圃場と低地土圃場の計4圃場から採取したタマネギを用いて作成されたものである。
3. 「もみじ3号」を除く品種、また、秋まき栽培、春・秋の直播栽培は未検討である。
図表1 248990-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/tarc/2021/tarc21_s07.html
カテゴリ 栽培技術 直播栽培 施肥 たまねぎ 品種

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