極晩生ギニアグラス「うーまく」の乾物収量および第一胃内分解性

タイトル 極晩生ギニアグラス「うーまく」の乾物収量および第一胃内分解性
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2018~2019
研究担当者 細田謙次
金子真
服部育男
加藤直樹
林征幸
中村好德
発行年度 2021
要約 極晩生ギニアグラス「うーまく」は、ローズグラス「カタンボラ」と比べると、栽培日数が60~90日の間、第一胃内の分解性では同等な数値を示すが、乾物収量が大きく上昇するため、九州地域で夏季に安定的に栽培できる牧草として有望である。
キーワード ギニアグラス「うーまく」、極晩生、乾物収量、第一胃内分解性
背景・ねらい 九州地域の周年グラス体系では、冬季の草種である寒地型牧草イタリアンライグラスが高い飼料品質を示すのに対して、夏季の暖地型牧草の飼料品質は低いとされる。一方、暖地型牧草のギニアグラス「うーまく」は、従来のギニアグラス品種になかった極晩生の形質を持ち、暖地型牧草の中では多収で九州本土では出穂しないという特徴を持つ。しかし、「うーまく」の収穫時期の判定や飼料設計の際に必要な情報となる収量や消化性の栽培日数における経時的変化を詳細に検討した報告はない。
そこで、本研究では九州における夏季の主要牧草であるローズグラス「カタンボラ」を対照として、異なる栽培日数における「うーまく」の乾物収量および第一胃内分解性を測定し、ウシ向けの粗飼料としての評価を行う。
成果の内容・特徴 1. ギニアグラス「うーまく」の乾物収量は、ローズグラス「カタンボラ」に比べ、播種後の栽培日数が60~90日の間、常に高く推移する(図1)。
2. 各栽培日数で第一胃内の分解性に関わる項目を比較すると、「うーまく」と「カタンボラ」の間に差は認められない(表1)。また、2草種ともに栽培日数が長くなるにしたがって、実質分解性画分Bが減ったため、分解される画分(A+B)および有効分解率が低下する。
3. 2草種間で乾物収量が最も近い栽培60日の「うーまく」および栽培90日の「カタンボラ」を比較すると、「うーまく」の乾物収量および第一胃内分解性(分解される画分A+Bおよび有効分解率)のいずれも「カタンボラ」より高い(図1と2)。
4. ギニアグラス「うーまく」は、九州地域の主要な夏季牧草であるローズグラスと比べて、第一胃内の分解性が同等な数値を示すが、乾物収量が高いため、九州地域で安定的に栽培できる有望な牧草品種である。
成果の活用面・留意点 1. ギニアグラス「うーまく」をウシ向けの粗飼料として、給与メニューに取り入れる際に役立つ情報となる。
2. 本成果の内容は、熊本県合志市で7月に播種した牧草を乾燥して供試し得られた結果である。
3. 本試験では、ギニアグラス「うーまく」のサイレージをウシへ給与する試験は行っていない。
図表1 249025-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/karc/2021/karc21_s03.html
カテゴリ イタリアンライグラス 乾燥 寒地 飼料設計 播種 品種

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