タイトル | 最新の予測では世界の穀物収量に対する気候変動影響の将来見通しが顕著に悪化 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門 |
研究期間 | 2020~2021 |
研究担当者 |
飯泉仁之直 Jonas Jägermeyr Christoph Müller Alex C. Ruane Joshua Elliott Juraj Balkovic Oscar Castillo Babacar Faye Ian Foster Christian Folberth James A. Franke Kathrin Fuchs Jose R. Guarin Jens Heinke Gerrit Hoogenboom Atul K. Jain David Kelly Nikolay Khabarov Stefan Lange Tzu-Shun Lin Wenfeng Liu Oleksandr Mialyk Sara Minoli Elisabeth J. Moyer Masashi Okada Meridel Phillips Cheryl Porter Sam S. Rabin Clemens Scheer Julia M. Schneider Joep F. Schyns Rastislav Skalsky Andrew Smerald Tommaso Stella Haynes Stephens Heidi Webber Florian Zabel and Cynthia Rosenzweig |
発行年度 | 2021 |
要約 | 主要生産国の多い中緯度地域では、気候変動による収量変化が、コムギでは2020年代後半から、トウモロコシでは2030年代後半から顕在化すると予測される。これらの時期は2014年に行われた前回の予測より10年以上早まっている。 |
キーワード | 地球温暖化、生産被害、穀物 |
背景・ねらい | 将来の気候変動が世界の穀物収量に及ぼす影響について最新の予測を示す。2014年に行われた前回の予測以来7年ぶりとなる。今回の予測は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の気候変動予測を用い、8ヵ国20の研究機関から12の収量モデルが参加している。 |
成果の内容・特徴 | 1. 気候変動が進行した場合、今世紀末(2069-2099年)の世界の平均収量は、現在(1983-2013年)に比べて、トウモロコシでは24%減少するとの結果である一方、コムギでは18%増加するとの結果である(図1)。 2. 主要生産国の多い中緯度地域ではこうした収量変化がコムギでは2020年代後半から、トウモロコシでは2030年代後半から顕在化する予測される(図2)。 3. これらの時期は前回の予測より10年以上早まっており、気候変動への適応をこれまでの想定よりも早く進めることが必要である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本研究で行われた新たな予測は、最新の気候変動予測を使用していることに加えて、これまでにない数の収量モデルに基づいており、これまでよりも信頼性が高い予測となっている。 2. この予測は、今後、数年間にわたり、気候変動への適応技術の開発や、開発途上国の適応支援、世界の温室効果ガスの排出削減等を巡る施策決定の場において基盤情報として活用される。 |
図表1 | |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/niaes/2021/niaes21_s05.html |
カテゴリ | とうもろこし |