ジャガイモ黒あし病の発生を防ぐための種ばれいしょ工程管理

タイトル ジャガイモ黒あし病の発生を防ぐための種ばれいしょ工程管理
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門
研究期間 2015~2021
研究担当者 藤本岳人
浅野賢治
中山尊登
大木建広
赤井浩太郎
眞岡哲夫
青野桂之
大石優
Habaragamuwa Harshana
安岡眞二
白井佳代
柴田浩之
小澤崇洋
発行年度 2021
要約 これまでの研究成果から明らかとなったれいばしょ栽培工程や貯蔵工程におけるジャガイモ黒あし病の感染経路について、種ばれいしょ生産現場に周知するとともに、感染経路を遮断するための工程管理や管理手段を種ばれいしょ生産現場に実装・技術移転する。
キーワード 細菌病害、Pectobacterium、Dickeya、種イモ伝染性
背景・ねらい 栄養繁殖性作物であるばれいしょは種苗伝染性病害の発生を防ぐため、健全な種ばれいしょ生産が不可欠である。わが国では植物防疫法等に基づく管理の下、複数年にわたる種ばれいしょの増殖・生産が行われている。しかしながら、近年、塊茎腐敗や地上部の萎れ、株元の黒変腐敗を引き起こすジャガイモ黒あし病(黒あし病)の発生が種ばれいしょ生産現場で大きな問題となっている。特に、平成26、29、30年は種ばれいしょ生産の基盤を担う原原種生産ほ場で黒あし病が大規模に発生し、一部の品種の種ばれいしょ供給が止まり、わが国のばれいしょ生産の根幹をゆるがす事態が起きている。そこで、病原菌種の解明や黒あし病の発生生態、感染経路を明らかにするとともに、感染経路遮断に有効な技術を確立し、種苗生産現場へと普及する。
成果の内容・特徴 1. 国内で発生が確認されている黒あし病菌(Dickeya属2種、Pectobacterium属3種)は、植物や土壌、水等からの増菌と菌種特異的プライマーを使用するPCR法を組み合わせることで検出可能である(2020年度普及成果情報)。
2. 黒あし病は種イモ伝染以外にほ場やほ場の周辺環境における雑草や野良いも、水環境などに存在する病原菌が原因となる感染経路が存在する。新たな黒あし病菌の感染経路を図1に示す。
3. ばれいしょの栽培から貯蔵までの工程について、食品安全管理手法の1つであるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の概念に基づき、各工程で発生する恐れのある感染リスクの分析を行い、特に注意して管理すべき工程とその対策を決定する。栽培工程と貯蔵工程における黒あし病感染リスク要因と黒あし病を発生させないために行う管理法についてまとめている(表1)。
4. ばれいしょ栽培工程や貯蔵工程において、黒あし病の発生に影響を及ぼす作業工程を見直し、黒あし病の発生を抑制するための管理手段を原原種生産を担う種苗管理センターや原採種生産団体であるホクレン農業協同組合連合会、十勝農業協同組合連合会等へと普及・技術移転する(図2)。
成果の活用面・留意点 1. 普及対象:行政機関、普及指導機関、種ばれいしょ生産団体、生産者
2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:北海道の種ばれいしょ生産地域(原原種生産 約800ha、原採種生産 約5,000ha)
3. その他:2021年度の北海道農業試験会議において指導参考成果として採択されており、北海道と対象地域の農協に普及見込みである。
4. 原原種生産現場(約800ha)において、管理手法の一部はすでに実証中である。
図表1 249130-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/nipp/2021/21_025.html
カテゴリ 安全管理 雑草 ばれいしょ 繁殖性改善 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる