でん粉粕の畜産利用におけるそうか病菌動態解明と伝搬防止技術

課題名 でん粉粕の畜産利用におけるそうか病菌動態解明と伝搬防止技術
研究機関名 北海道立畜産試験場
研究分担 環境草地部畜産環境科・十勝農試生産研究部病虫科
研究期間 H16~18
年度 2004
摘要 目的:馬鈴薯でん粉の製造工程で発生するでん粉粕は、飼料としての有用性が知られており利用の促進が望まれている。しかし、でん粉粕はジャガイモそうか病菌(Streptomyces turgidiscabies,S.scabiesなど)を含む場合があり、その利用により病原菌が拡散する危険性が危惧されている。そこで、でん粉粕の畜産利用場面におけるそうか病菌の動態およびその死滅条件を明らかにすることを目的をする。方法:(i)でん粉粕の飼料利用場面におけるそうか病菌の動態解明a)でん粉粕のそうか病菌汚染実態:道内4地域のでん粉工場よりでん粉粕およびデカンター廃液を採取し、そうか病菌数を定量した。b)でん粉粕の飼料利用場面におけるそうか病菌の動態解明b)-1そうか病菌の低pH耐性:そうか病菌(S. turgidiscabies;Sy9103 菌株)の胞子懸濁液をpH3.0~5.0のYMブロスに接種し、25℃の恒温室内で静置培養後経時的に菌数を計測した。b)-2でん粉粕サイレージの発酵過程におけるそうか病菌の消長:でん粉粕100gをパウチ袋に詰め、4、15、25℃で培養した。3、7、14、22、29日後に開封しpHおよびそうか病菌数を定量した。b)-3牛消化管内でのそうか病菌の動態解明:黒毛和種肥育牛3頭に、そうか病菌培養培地を混合したフスマ100g/日/頭(そうか病菌数平均6×106CFU/g)を、その他飼料(でん粉粕10kg、大豆粕0.76kg/日/頭)と混合して給与し、糞便からそうか病菌を検出した。(ii)堆肥化過程におけるそうか病菌の動態解明と殺菌技術の開発a)堆肥化試験(i)b)-3の牛房の糞尿オガクズ混合物を材料として0.5m3の箱形容器に270kg詰め、適宜切返しを行い堆肥化した。切返し毎に試料を採取し、そうか病菌の検出を試みた。b)そうか病菌存否確認試験牛糞堆肥およびでん粉粕中そうか病菌生存の有無を、ばれいしょの生物検定で実施するにあたり、両農産副産物の施用限界量を検討した。また、生物検定により病原菌の存在を確認できる土壌中菌量を検討した。成績の概要:(i)-a)そうか病菌はでん粉粕およびデカンター廃液から102~3/g・ml検出された。(i)-b)-1液体培地中では、そうか病菌はph4.5以上で増殖したが、ph4.0以下では減少傾向を示し、pH4.0、3.5、3.0でそれぞれ5、2、1日後に不検出をなった。(i)-b)-2培養温度が高いほどpH低下速度は早く、25℃で7日、15℃で14日目にはpH4以下に低下していた。4℃ではpHの低下速度は遅く、29日目も4.3であった。そうか病菌は培養温度が高いほど減少速度が早く、25、15、4℃でそれぞれ3、7、22日目に不検出となった。(i)-b)-3糞便中そうか病菌は現在分析中。(ii)-a)堆肥の品温は速やかに上昇し、最高温度は上層部で60℃、中・下層部で68度であった。開始時原料からそうか病菌は検出されなかった。以降の試料は現在分析中。試験は継続中。(ii)-b)牛糞堆肥は、10t/10aでも生育障害が認められなかった。一方、でん粉粕は5t/10a以上で上いも数が減少した。また、接種菌量が2.2×102CFU/乾土gでも80%の塊茎に明瞭な病斑が認められた。
研究対象 肉用牛
戦略 畜産
専門 飼養管理
部門
カテゴリ 飼育技術 しそ 大豆粕 肉牛 ばれいしょ

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