飼料自給率向上のための飼料用とうもろこし高度利用技術の確立(1)破砕処理とうもろこしの高度利用による高自給率乳生産システムの確立

課題名 飼料自給率向上のための飼料用とうもろこし高度利用技術の確立(1)破砕処理とうもろこしの高度利用による高自給率乳生産システムの確立
研究機関名 北海道立畜産試験場
研究分担 畜産工学部代謝生理科
環境草地部草地飼料科
技術普及部
北海道大学
十勝農協連
コントラクター組合(鹿追町・上士幌町)
研究期間 H15~17
年度 2004
摘要 目的:破砕処理条件の異なるとうもろこしサイレージ(CS)を給与したときの乳牛のルーメン内性状、養分利用性および乳生産性を比較することにより、熟期に適した破砕処理条件を提示し、CSを高度に利用した乳生産システムの確立とコントラクターの活用推進を図る。方法:(1)CS多量給与のための破砕処理条件の検討:黄熟期とうもろこしの破砕処理条件の違いが、乳牛のルーメン性状、養分利用性および乳生産に及ぼす影響を検討した。 (i)熟期と破砕処理条件の違いがルーメン発酵に及ぼす影響 ア.ルーメン性状および菌相に及ぼす影響:黄熟期CSの破砕処理の有無がルーメン性状および菌相に及ぼす影響を、人工ルーメンおよびin vivoにより検討した。 破砕処理条件:設定切断長17mm+破砕なし(未破砕CS)、 同17mm+ローラ幅5mm(破砕CS) イ.養分利用性に及ぼす影響:黄熟期CSの破砕処理条件の違いが養分利用性に及ぼす影響を検討した。 破砕処理条件:設定切断長19mm+ローラ幅5mm(19+5mm)、 同19mm+1mm(19+1mm)、同22mm+1mm(22+1mm) 給与方法:1日1回飽食給与 (CS:大豆粕=83:17(DM比)、飼料全体CPで15%以上) 19+5mm、19+1mm、22+1mmのCSを給与した区をそれぞれ19+5mm区、19+1mm区、22+1mm区とした。 (ii)熟期と破砕処理条件の違いが乳生産および健康に及ぼす影響 (i)-イと同様の飼料を泌乳牛に給与し、泌乳初期(分娩日~分娩後6週目まで)の乳生産および疾病発生状況を比較した。(2)コントラクターを活用したCS調製および乳生産システムの現地実証 上士幌町において、破砕処理CSの多給を予定している農家で、多給前の乳生産、繁殖成績および疾病発生状況について聞き取り調査をした。成績の概要: (1)-(i)-ア 破砕CSを給与したときには、ルーメン内のデンプン消化率および可消化量が高かったが、NDF消化率は変化しなかった。また、破砕CSでは茎部へのルーメン微生物の付着が早く、キシラン分解菌割合および総VFA中の酪酸割合が高い傾向にあった。 (1)-(i)-イ 総消化管の消化率は区間に差はなかった。19+5mm区はルーメン内のデンプン消化率は低い傾向にあるが、CPおよびNDF消化率は22+1mm区と同程度だった。19+5mm区は十二指腸への菌体蛋白質移行量が多い傾向にあった。19+1mm区はルーメン内の飼料由来CPおよびNDFの消化率が低く、十二指腸への蛋白質移行量に占める菌体蛋白質の割合が低い傾向にあった。 (1)-(ii) 19+1mm区では分娩後6週目までの乾物摂取量が低く、分娩後3週目まで4%脂肪補正乳量が低い傾向にあった。乳脂率は破砕処理条件による差がなかった。19+5mm区ではルーメン液のプロピオン酸割合が高く推移し、19+1mm区および22+1mm区では酪酸割合が高く推移した。分娩後の体重変化および血中遊離脂肪酸濃度は破砕処理条件による差がなかった。以上より、黄熟期のとうもろこしにおいて、設定切断長19mm・ローラ幅5mmに比べ、設定切断長を22mmまたはローラ幅を1mmにしても養分利用性および乳生産性のさらなる向上は認められなかった。(2) 黄熟期の破砕処理CSを泌乳牛に原物で22kg/頭・日給与しており、繁殖成績および疾病発生に問題はなかった。今後、破砕処理CSを原物で40kg/頭・日まで増給する計画である。
研究対象 乳用牛
戦略 畜産
専門 飼養管理
部門
カテゴリ コントラクター 飼育技術 飼料用作物 大豆粕 とうもろこし 乳牛 繁殖性改善

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる