課題名 | 地域資源の機能性成分移行をめざした特殊卵生産技術の開発 |
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研究機関名 |
京都府畜産技術センター |
研究分担 |
経営・指導部 |
研究期間 | 新H18~19 |
年度 | 2005 |
摘要 | 1.背景・目的:飼料自給率向上は大きな政策課題であるが、具体的に検討が進んでいるのは飼料イネを含む飼料作物増産や食品残渣の有効利用で、飼料米については余剰米処理対策としての利用の域を超える検討例は少ない。しかし、2005年センサスによると、耕作放棄率は5年間で11%増加していることから、国土保全のためにも水田の活用につながる水稲の多面的利用推進が一層重要になってきており、飼料米の生産・利用についても、コスト差の吸収方策をはじめとした条件整備が前提になるとは言え、重要な選択肢である。また、ゼロエミッションなど循環型社会構築への希求の高まりとともに地域未利用資源の有効活用が模索され、畜産に対しては、農産物の規格外品や食品製造副産物等の飼料利用を期待されている。そこで、健康志向の高まりから機能性食品が注目を浴びている状況及び機能性成分を有する地域未利用資源(青とう赤色果、ズワイガニかに殻、飲料工場からでる茶がら等)に着目して、これらの未利用資源と、地域の組織的営農活動により生産される飼料米を組み合わせた採卵鶏用自家配合飼料を実用化し、地域産飼料原料の機能性成分が移行した特殊卵の生産技術を開発する。 2.既往の関連成果: (1) 自家配合飼料のトウモロコシの一部を小麦で置き換えた飼料(小麦の割合30%)を採卵鶏に給与したところ、生産性、卵質、卵黄色に影響は認められなかった。(京都府畜産研究所試験研究成績第41号 2001) (2) 市販配合飼料の5%をカニ殻に置き換えて採卵鶏に給与したところ、生産性、卵質に影響は認められず、鶏自身の自然免疫力が向上することが確認できた。(京都府畜産技術センター未発表2005) (3) 配合飼料の10~30%をエサ米に置き換えて採卵鶏に給与したところ、生産性には有意差は認められなかったが、卵黄色は20、30%ものではカラーファンNo.8以下になり、薄くなった。(埼玉県養鶏試験場研究報告第17号 1983) (4) 高知の特産鶏である土佐ジローに対してシシトウの未熟果を3%添加したところ、産卵率は低下したものの、卵黄色が向上し、卵黄中のビタミンE増加に効果があった。(高知県畜産試験場研究報告第18号 2002) (5) 採卵鶏の飼料中に茶がらを添加したところ、5%では卵殻質に悪影響がみられたが、1%では生産性や卵質に影響なく、卵黄中のビタミンE含量が有意に増加した。(静岡県中小家畜試験場試験研究報告第8号 1995) 3.期待される成果: (1) 飼料自給率が向上するとともに、飼料に含まれる免疫賦活化成分等の機能により、鶏の抗病性の向上が期待できる。 (2) 地域産飼料原料の使用や機能性成分による付加価値を生かし、ブランド展開を図ることにより、生産者の経営改善が期待できる。 (3) 地域の水田や未利用資源の有効活用による、地域循環型社会の構築や新たな特産物の創出による地域活性化に寄与できる。 |
研究対象 | 採卵鶏 |
専門 | 飼養管理 |
部門 | 鶏 |
カテゴリ | カラー 機能性成分 経営管理 コスト 飼育技術 ししとう 飼料作物 水田 機能性食品 茶 とうもろこし 鶏 未利用資源 |