地場産小麦の中華麺適性の解明と安定供給技術の開発

課題名 地場産小麦の中華麺適性の解明と安定供給技術の開発
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 作物園芸部
研究期間 H18~20
年度 2006
摘要 目的:小麦のランク区分制度の導入により用途別の特性を十分に引き出す栽培技術の確立が求められている。ここでは栽培条件と各種成分の関係を明らかにするとともに、実需者が求める加工適性を高めるための栽培法を開発する。結果:小麦子実の形態と小麦粉品質の関係解明では、施肥条件を変えて栽培したゆきちからから得られた開溝程度が3.5(小-やや小)~6.5(やや大-大)の範囲で分布した9試料を分析した結果、開溝程度と製粉歩留、灰分含量との間には有意な関係は見られなかった。開溝程度と60%粉の白度との間には5%水準で有意な正の相関関係が見られたが、粗蛋白質含量増加の影響もあると推察された。開溝粒が混入しても必ずしも品質が低下するものではないことが判明した。(ii)小麦粉成分含量等と中華麺加工適性との関係解明では、出穂期に追肥を行い粗蛋白含量を高めても、灰分含量は増加せず、灰分増加に伴う中華麺品質の低下がないことを確認した。また、製粉工場において、色相を低下させずに中華麺用に仕分けする粉の割合を増やし、コストを下げる可能性を見いだしたこと、柿渋液添加により中華麺適性が向上することを明らかにした。(iii)小麦の生産条件と成分変動のメカニズムの解明のうち、栽培条件と外観品質および内容成分との関係解明では、施肥条件が小麦の収量、外観品質および内容成分に及ぼす影響を検討し、収量や倒伏を考慮した播種時期別の窒素施肥量の上限、および出穂期の生育量に合わせた追肥量の調整が必要であることを明らかにした。(iv)収穫乾燥条件と外観品質および内容成分との関係解明では、成熟期前後に降雨がほとんどない場合、成熟期に35%前後あった子実水分が、成熟期4日後には18%前後まで低下したことから、会津地方においては、浜通り地方のように子実水分が40%前後の高水分で収穫しなければならないといった問題は発生しにくいと考えられた。しかし、成熟期4日後からの降雨の影響で、退色粒の発生による品質低下がみられた。(v)安定供給に向けた生産・加工の現地実証のうち、加工適性の高い中華麺用小麦生産の現地実証では、現地における生産実態の調査から、穂揃い期の窒素追肥量を増やすことにより、小麦の粗蛋白質含量を高めることができ、通常の出穂期窒素追肥に、穂揃い期窒素追肥を「上乗せ」しても、灰分含量はランク区分の許容値1.80%を下回ることを明らかにした。生産実態調査の結果などをもとに、2カ所の現地実証展示圃を、計画どおり設置した。
カテゴリ 加工 加工適性 乾燥 コスト 小麦 栽培技術 栽培条件 施肥 播種

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