６．園芸作物の奨励品種決定調査、　ア．果樹・野菜・花きの奨励品種決定調査、　イ．果樹基本調査、　ウ．リンゴ系統適応性検定試験

• 研究機関名: 山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場
• 研究分担: 果樹研究科; ; 野菜花き研究科
• 研究期間: 継13～
• 年度: 2007
• 摘要: イ 果樹基本調査、（ア）リンゴの基本調査、 リンゴ「秋陽」の早期成園化について検討した結果、JM７台やマルバ台付きM9ナガノを使用したわい化栽培は、マルバカイドウ台を使用した普通栽培より早期多収が可能になり、定植4年目で10a当たり0.6ｔ程度の収量が得られた。JM１台は接ぎ木コブの発達が顕著で、わい性台木としての利用は難しいと考えられた。、わい性台の「ふじ」に「秋陽」を高接ぎ一挙更新する方法は、側枝更新高接ぎと主幹更新高接ぎの両方が可能であり、接ぎ木3年目で10ａ当たり2ｔ、4年目で3ｔ程度の収量が得られた。、マルバカイドウ台とＪＭ７台の果実を比較した結果、ＪＭ７台の果実は、果肉硬度が高く、酸味が強く、日持ち性が良かった。収穫期は、ＪＭ７台の収穫終期が７日程度遅く、収穫適期が長い傾向がみられた。、（イ）ブドウの基本調査、（独）果樹研究所育成３系統、山梨県果樹試験場育成３系統、福岡県農業総合試験場育成３系統および国内育成品種４品種について調査検討したところ、「山梨46号」、「福岡12号」は本県における適応性が低いと判断し、次年度以降の調査を中止した。「オリエンタルスター」は果実品質や貯蔵性等の特性が明らかになったため調査を終了した。その他の系統・品種は継続検討となった。、（ウ）モモの基本調査、（独）果樹研究所育成の6系統を調査した結果、筑波121号は品質が安定しており有望と判定し、筑波125号は小玉で食味が劣ることから中止と判定した。国内育成12品種を調査した結果、「あぶくま」は着色など優れた形質を持っていることから有望と判定した。「まどか」は果実品質等の特性が明らかとなったことから調査を終了した。その他の系統・品種については継続検討とした。、（エ）セイヨウナシの基本調査、「メロウリッチ（山園P2号）」の着果管理法を検討した結果、果実肥大促進のためには、摘芽、摘花などの早期着果制限が有効であり、特に、花そう摘花や一輪摘花を行うと果実肥大の揃いが良いことが明らかとなった。、また、「メロウリッチ」の収穫期は、生育初期の積算最低気温、収穫直前の積算最高気温から予測でき、収穫適期の判断指標としては、満開後日数、果肉硬度が適していることが明らかとなった。、（オ）スモモ、プルーンの基本調査、スモモの国内育成品種及び導入品種を調査した結果、中生種の「貴陽」は大玉で食味が良く日持ちも良いことから有望と判定した。また、「貴陽」の結実向上対策として、複数回の人工受粉が有効で、受粉樹としては「エレファントハート」、「ハニーハート」、「ハリウッド」が適すると考えられた。、場内の「秋姫」に、着色程度、樹姿、果実肥大、収穫時期等の特性が異なる樹が確認され、複数の系統が存在する可能性が示唆された。また、果面に黒斑症状を呈する障害の発生が確認され、原因と対策について継続検討していく。、プルーンは８品種のうち、中生の「パープルアイ」、晩生の「ベイラー」、「スタンレイ」、「プレジデント」の収量性が高く品質も良かったため継続検討とした。「ブルータン」は食味が劣り、「マジョリーズ」は同時期のものと比較して品質が劣るため中止とした。、（カ）オウトウの基本調査、「佐藤錦」、「紅秀峰」について花芽の低温抵抗性を調べたところ、発芽期以前の雌ずい伸長が緩慢な時期は、-10℃の処理でも、小花被害率は少なかったが、発芽期以降は、生育ステージが進むにつれ小花被害率が上昇し、-5℃、-2℃処理によっても小花被害率が高まった。このことから、発芽期以降は、生育ステージが進むにつれ急激に低温抵抗性が弱くなると考えられた。、、ウ リンゴの系統適応性試験、（独）果樹研究所リンゴ研究部育成系統３系統を調査した結果、盛岡６４号は中止、６３号、６５号については継続検討と判定した。、国内育成15品種・系統を調査した結果、「あおり９」、「あおり１５」は県内での適応性は低いと判定した。「駒ふじ」は「普通ふじ」より収穫時期が早く、甘酸が多い等の特性が明らかとなったため調査を終了した。早生の「あおり１６」、「夢つがる」、中生の「ニュージョナゴールド」については品質が優れていたが、他の品種・系統とともに継続検討していく。
• カテゴリ: おうとう 栽培技術 受粉 すもも 早期成園化 台木 高接ぎ 接ぎ木 抵抗性 品種 ぶどう プルーン もも 良食味 りんご わい化