| 課題名 |
果樹における化学合成農薬削減技術の確立 |
| 研究機関名 |
福島県農業総合センター
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| 研究分担 |
果樹研究所
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| 研究期間 |
継H18-22 |
| 年度 |
2007 |
| 摘要 |
目的:環境に対する負荷軽減を実践しつつ、モモの主要病害に対する新防除技術を開発し、殺菌剤の使用回数の低減を図る。、結果:(1)モモ殺菌剤散布回数削減をはかるための試験を行った。、(1)晩生種対象の削減防除区は、いずれの病害に対しても慣行防除区と同等またはそれ以上の防除効果が得られ、特に、展着剤のアビオンEを添加したことで、ホモプシス腐敗病に対する防除効果が得られた。(2)灰星病に対して供試したEBI剤はいずれも15日程度の残効があると考えられた。せん孔細菌病に対して供試した各種殺菌剤のうち、亜鉛ボルドー液およびスターナ水和剤の防除効果は不十分でったが、10日程度の残効が期待できると考えられた。(3)モモせん孔細菌病に対する秋期防除については、コサイドDFの3回散布は2回散布より効果が高かったが、2回散布であっても、罹病葉の強制的な落葉直後の散布であれば高い防除効果が得られると考えられた。(4)Bacillus subtilisを有効成分とする微生物農薬のモモ灰星病に対する防除効果について、インプレッション水和剤 1,000倍は化学合成農薬と比べて効果は劣るが、実用性はあると判断された。また、インプレッション水和剤を防除体系の中で使用した場合、灰星病には効果があるが、その他の果実病害には効果は低かった。、(2)リンゴ・モモの樹種複合栽培における防除および散布液飛散低減に関する試験を行った。、(1)リンゴの発生予察システムの実用化をはかるため、フィールドサーバーを利用して検討したところ、感染予測モデルによる予察精度は低く、実用性に乏しいため試験を中止する。(2)リンゴ・モモ共通防除体系の所内試験ではリンゴでは問題となる病害の発生は認められなかった。モモではホモプシス腐敗病の発生が認められた。(3)リンゴうどんこ病に対して各種EBI剤のなかでアンビルフロアブル、サルバトーレME、サンリット水和剤、トリフミン水和剤およびラリー水和剤の効果が優れていると判断された。(4)リンゴ輪紋病およびモモホモプシス腐敗病に対して防除効果があり、残効が長い殺菌剤はベルクート水和剤であった。(5)風量と散布量を低減した散布方法は、モモ果実に対する薬剤の付着量が少なく、散布ムラが生じる場合があるが、展着剤のアビオンEの使用により薬剤の付着性が高まる可能性があった。(6)リンゴ・モモ共通防除体系の現地実証試験では、所内試験と同様リンゴでは問題となる病害虫の発生は認められなかった。モモではせん孔細菌病が認められた。共通化率はリンゴで50%、モモで約40%であった。、(3)リンゴ褐斑病・殺菌剤削減防除体系、ナシ殺菌剤削減防除体系およびモモ赤色斑点症状に関する試験をおこなった。、(1)リンゴ褐斑病の果実感染時期は、9月中旬以降であると考えられた。また、褐斑病の一次伝染源として、前年の被害落葉上の子のう胞子以外に、樹上に存在する可能性が示唆された。梅雨期にナリアWDGを2回使用し、散布間隔をおよそ15日間および20日間にした削減防除体系は、慣行防除体系と同等またはそれ以上の防除効果が得られた。(2)ナシにおいて生育前半の5月中の防除を化学合成農薬から微生物農薬に置き換えても、黒星病防除には十分な効果があった。削減防除体系の所内試験では黒星病の果実発病に対する効果が慣行に比べ劣った。現地試験は慣行と同等の防除効果であった。(3)モモ赤色斑点症状について、その原因と対策を検討した。発症果の斑点部分から、生育が遅い暗緑色~黒色菌叢の糸状菌が分離され、分離菌の接種により症状が再現され、さらに、斑点部分から同種と思われる糸状菌が分離されたため、本症状は糸状菌の一種による病害と考えられた。また、現地の発生園の果実を用いて曝露試験を行ったところ、曝露期間が長いほど発生は多く、多雨条件に遭遇した場合に発生は多くなった。胞子飛散は6月上旬頃から9月上旬まで続き、降雨が多いほどその数は多かった。また、数種殺菌剤の防除効果を検討したところ、ダコレート水和剤の防除効果が期待できると考えられた。散布方法の違いでは、SSによる防除よりも手散布によって散布量を十分確保することにより本症状の発生が軽減できると考えられた。、(4)県病害虫防除指針編成上改善を要する主要害虫や新規害虫について、発生生態を解明し、より有効な防除法を検討した。、(1)県北地方モモ園におけるハダニ調査より、ナミハダニとカンザワハダニの寄生が主体であることが明らかとなった。天敵としてカブリダニ類が確認された。(2)交信かく乱剤を使用したリンゴ園においても誘殺が可能なモモシンクイガ用改良型ルアーの誘引効果を検討した結果、発生消長の把握が可能と考えられた。被害果との関係については課題を残した。(3)モモのモモハモグリガにおける各種殺虫剤の防除効果試験より、アドマイヤー水和剤2,000倍およびカスケード乳剤4,000倍については他剤と比較して効果が劣る傾向がみられた。天敵寄生蜂の調査より、5種類の寄生蜂が確認され、寄生蜂の寄生率が高いほど、モモハモグリガの死亡率が高くなる傾向がみられた。(4)伊達市霊山町のスモモにおけるスモモヒメシンクイのモニタートラップによる誘殺調査から、成虫の誘殺盛期は越冬世代が5月下旬、第1世代が7月中旬、第2世代が8月中旬、第3世代が9月中旬の4回と考えられた。(5)ナシシンクイタマバエの生態と防除法を検討した。2007年7月に福島市庭坂において、新たにナシシンクイタマバエの発生が確認された。これで、会津地方を除く県内の主要なナシ産地において発生が確認された。休眠期の粗皮削りはナシシンクイタマバエに対する最も有効な防除法であった。また、休眠期の機械油乳剤は粗皮削りよりも効果は劣るが、リンゴハダニやカイガラムシ類の同時防除剤として有効であると考えられた。本種の越冬世代成虫および第1世代成虫の羽化時期は、5月5半旬~6月2半旬および6月6半旬~7月1半旬であり、その盛期期は5月6半旬および6月6半旬と考えられた。相馬市磯部の現地ほ場において、越冬世代成虫の羽化時期に殺虫剤を慣行防除に2回追加し、また、第1世代成虫の羽化時期に殺虫剤を1回散布(慣行防除)した結果、8月8日の収穫期における「幸水」の被害果率は1.5%と、2006年8月13日の11.0%に比べ低く抑えられた。(6)多目的防災網を設置した現地ナシほ場では、ナシヒメシンクイやハマキムシ類、カメムシ類などの主要害虫に対する優れた侵入阻止抑制効果が確認された。多目的防災網はナシヒメシンクイの防除としても有効な資材と考えられた。(7)果樹研究所内のリンゴほ場においてリンゴワタムシの発生消長と防除法を検討した結果、本種の発生は寄生蜂のワタムシヤドリコバチの寄生率に影響されることが明らかになった。
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