地場産小麦の中華麺適性の解明と安定供給技術の開発

課題名 地場産小麦の中華麺適性の解明と安定供給技術の開発
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 作物園芸部
会津地域研究所
企画経営部
研究期間 継H18-20
年度 2007
摘要 (1)(1)小麦子実の形態と小麦粉品質の関係解明では、8水準の施肥法によるサンプルの分析結果で、慣行栽培に対して増肥区では粗蛋白質含量が最大約5%増加した。一方、粗蛋白質含量の増加に伴って開溝程度も大きくなったが、その差は最大1ランクにとどまり、凹みを伴った典型的な開溝粒は発生しなかった。人為的に生育不良処理を行った試験では出穂2週間後から50%の遮光を行った区で、凹みを伴った開溝粒が発生し、灰分含量が増加するなど品質の低下が見られた。(2)中華麺用として優先すべき品質項目は粗蛋白質含量で10%以上(暫定値)必要であり、灰分含量は品質評価基準の通り子実で1.75%以下であれば問題ないと推察された。製粉工場での製粉過程で得られる33分画中、従来からの12分画に加え1分画が中華麺用に仕分けでき、これにより歩留が1~2%増加することが確認できた。各産地の「ゆきちから」の灰分、粗蛋白質含量、製麺適性を調べた結果、産地間で大きな差は認められなかった。(3)小麦の生産条件と成分変動について県内産小麦を調査した結果、蛋白質、灰分含量はランク区分の基準を満たしているサンプルが多く、容積重は基準値を下回るサンプルが多かった。会津地方で中華麺加工適性の高い小麦を安定して生産するためには、基肥窒素1.0kg/a+出穂期追肥0.3kg/aが基本と考えられた。蛋白質含量を安定的に確保するためには、出穂期の生育量に合わせた追肥量の調整が必要であった。追肥により灰分含量は高くなるが麦流通のランク区分の許容値(1.8%)を超えないことから、子実の蛋白含量を確保する施肥が優先すべきと考えられた。(4)普通型コンバインによる損傷粒発生程度は成熟期以降で軽微であった。また、乾燥後の子実検査等級では、成熟期から8日後までは2等上位で推移したが、成熟期後12日では退色粒発生により品質低下がみられたため、収穫適期は成熟期から8日後までの期間と考えられる。また、40℃での加温乾燥では常温静置での乾燥と同等の品質であったが、60℃での加温乾燥では等級の品質低下を招いた。(5)安定供給に向けた生産・加工の現地実証では、2カ所の現地実証展示圃を設置し、喜多方市では、中華麺加工適性の高い小麦生産の実証試験を行い、穂揃い期の窒素追肥量を増やすことにより、年次変動はあるものの、小麦の粗タンパク質含量が安定的に高くなることを実証した。また、生産した小麦全量を1ロットとして製粉工場で製粉し、生産した中華麺用小麦粉の製麺適性が高いことを実証した。会津坂下町では、早期播種や仕分け乾燥の効果の検証を通して、大規模経営に適した生産体制の検討を行った。、(2)小麦の外観品質低下の要因を探るために、成熟期前後を数回に分けて収穫乾燥を行い、退色粒の発生程度などについて検討した。その結果、(1)機械収穫による損傷粒の発生は成熟期前で多く、成熟期後の損傷粒の発生は軽微であった。(2)40℃での加温乾燥は無加温静置乾燥と同等の品質だが、60℃での加温乾燥では等級の低下を招いた。また、地場産小麦を初めとする地元産素材でつくったラーメンの価格は(1)通常の喜多方ラーメンに比較し200円高い750円までの価格であれば消費者に受け入れられることが調査から明らかとなった。ただし、地元住民にあっては、これよりやや安い690円であった。、
カテゴリ 加工 加工適性 乾燥 小麦 施肥 大規模経営 播種 評価基準

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