課題名 | d.プリオン病の防除技術の開発 |
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課題番号 | 2008010671 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,プリオン病研究チーム |
協力分担関係 |
産業総合技術研究所 東北大学 ソウル大学 農業生物資源研究所 北海道立畜産試験場 九州大学 アドバンスソフト株式会社 アサヒビール株式会社 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2008 |
摘要 | 1)BSE等プリオン病の検査・診断技術の高度化・迅速化では、牛のプリオンたんぱく質(PrP)に特異的なプローブとしてアプタマーを作製し、その特徴的な構造を解析することにより、牛のPrPとの結合にはGGA配列の4回繰り返し配列が関与し、その配列は平行したGカルテット平板構造を示すことを明らかにした。また、BSE診断キットを開発し、その性能を科学誌に公表した。市販化された本キットは、異常プリオンたんぱく質の抽出を単一チューブで実施できるように簡易化した点が特徴のサンドイッチELISAで、他の市販キットと同等以上の性能を持つ。2)BSEの発症前診断のための試験管内異常プリオン変換技術 として、PMCA法を用いたBSE、スクレイピー羊のプリオンの高感度検出技術が特許申請段階に達した。3)プリオン病の発病機構を解明するため、定型BSEプリオンを遺伝子組換えマウスへ伝達し、プリオンの感受性宿主域および異常プリオンたんぱく質(PrPSc)の性状の変化を解析した。その結果、定型BSEのハムスターに対する種の壁がPrP131-188の領域に依存していること、プリオンは異種動物へ伝達すると、その宿主域が変化することを明らかにした。また、BSE/JP24(我が国の非定型BSE症例)から得られたBSEプリオンについて解析を進めた結果、非定型BSEは、動物に対する伝達試験において、感染動物種と病変、生化学的性状がこれまでのBSE(従来型BSE)とは異なることを明らかにし、新しいBSEプリオンであることを示した。4)異常プリオンたんぱく質の不活化技術等については、ラクトフェリンが培養細胞でのプリオンの複製を阻害することを明らかにした。また、牛のラクトフェリンは、細胞表面の正常プリオンたんぱく質のエンドサイトーシスを阻害するとともに、異常プリオンたんぱく質と結合することによって感染細胞におけるプリオン複製を抑制することを示唆した。 |
カテゴリ | 市販化 診断技術 羊 防除 |