(1) 農業環境資源インベントリーの構築と活用手法の開発

課題名 (1) 農業環境資源インベントリーの構築と活用手法の開発
課題番号 2008010741
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 (独)農業環境技術研究所,生態系計測研究領域
協力分担関係 北海道立中央農業試験場
農業・食品産業技術総合研究機構
森林総合研究所
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 ア リモートセンシング・地理情報システムを用いた農業環境資源の情報化と活用1)リモートセンシング解析技術による広域的な農業的土地利用状況把握手法の開発 高時間分解能衛星センサ(MODIS)データから、インドシナ半島域、黒竜江省域、日本及び朝鮮半島域を対象に汎用的な基本データセットを作成し、地表面状態を評価するための各種指数の時系列データセット(6 日間隔)を構築した。また、インドシナ半島を対象として、画素ごとの時系列変化パターンを用いた分類法により、水田域に着目した農業的土地利用区分図を作成し、現地調査による土地利用区分図やメコンデルタでの詳細な分類結果と照合し妥当性を確認した。これらは土地利用や作付に関する広域的な情報を面的に把握する上で有用であり、データセットはすでに日韓国際共同研究や農研機構における生産性広域評価等に活用されつつある。 最新の衛星画像の解析から、ラオス焼畑地帯の土地利用変化と生態系炭素量の最新実態を明らかにした。焼畑面積は依然として減少していないことが示された。詳細な土地利用・作付シナリオ間比較を通して、生態系炭素蓄積と収益性からみて有望な土地利用・作付システムを明らかにした。本成果についてはドイツ技術協力公社(GTZ)等国際的開発・環境機関の関心が高い。2)GIS 解析技術による農業的土地利用状況把握手法の開発 明治初期に測量された地図(迅速測図)のGIS データ化を完成し、Web 上で公開した。この成果は、水田生物多様性研究における生物調査のベースマップとして活用されるなど、大学、研究機関等での利用が進んでいるとともに、里地里山の保全活動の基礎資料などとしても活用が期待される。 環境省現存植生図と農業統計データによる分析から、谷津田を構成する狭小水田(幅約100m 以内)が、面積は小さいながらも関東地方に広く分布し、周長距離が長く樹林地に隣接する傾向が高いため、谷津田景観の維持に非常に重要な役割を果たすことを明らかにした。また、「耕作放棄地(田)」面積と狭小水田面積の比率を指標として、関東地方において谷津田景観が集落から消失する危険性の分布図を作成した。イ 総合的なインベントリーの構築と利用法の開発1)個別インベントリーの拡充と総合的農業環境インベントリーの構築 GIS を共通基盤として、土壌、昆虫などの各種個別農業環境資源データベースを地図上に統一して標示する農業環境インベントリーシステムについて、操作性と画面の改良を行い、所内への公開を行った。セキュリティの改良とシステムの運用管理のためのマニュアルの整備を行い、一般への公開を目指している。また、新たなデータの追加等の拡充を実施した。2)包括的土壌分類試案の策定 包括的土壌分類試案策定のため、土壌代表断面設定調査を、全国6点で実施し、断面の形態記載、一般理化学性分析、粘土鉱物分析を行った。また、1/5 万土壌図2 図幅について、林地を含めた土壌調査を行い、農耕地土壌分類第3次改定版(3次案)及び日本ペドロジー学会統一的土壌分類体系第二次案の比較を行い、対応関係や相違点を明らかにした上で、林地を含む土壌図を作成した。さらに、分類試案作成のための共有データとして、1992 年版全国農耕地土壌図を作成し、畑土壌統設定基準データと水田土壌統設定基準データを整備し、その一部を公開した。3)土壌侵食、農薬等農業環境リスク指標の策定 土壌侵食ポテンシャル量と過去に行われた9地点の実測データの比較を行ったところ、両者には有意な相関が認められた。一方、集水域ごとに集計した平均土壌侵食ポテンシャル量と対応する集水域の水質観測地点における5年間の平均SS(懸濁物質)濃度には明確な関係は認められなかった。 水田以外(畑地や果樹園等)で使用されている農薬を対象に、環境リスク指標に重要と考えられる要因(暴露及び毒性)を明らかにするとともに、河川水中濃度を算出するための評価環境(面積100 km2のモデル流域内に750 ha の畑地と河川を配置)を設定した。4)基盤的な統計手法の開発 前年度までに開発した系統学的多様度を計算するソフトウェアを改良し、新尺度である「グロモフ距離」を計算するとともに従来の系統学的尺度を並行して計算できるようにした。DNA 塩基配列データに対して、このソフトウェアを用いて、実際に特定の単系統群の系統学的多様度を計算した。5)ジーンバンク事業 平成20 年度事業計画に従って、微生物については、トマトすすかび病菌等の新規MAFF 菌株を15 株登録し、微生物の特性を217 点について調査した。昆虫については、事業計画に加えて新規1系統を導入し、2 種10 項目の特性評価を実施した。
カテゴリ 病害虫 水田 データベース トマト 農薬 リモートセンシング

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