課題名 | c.中山間・傾斜地の立地条件を活用した施設園芸生産のための技術開発 |
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課題番号 | 2009013863 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,中山間傾斜地域施設園芸研究チーム |
協力分担関係 |
山口県農林総合技術センター 徳島県農業研究所 広島県農業技術センター 愛媛県農林水産研究所 山口県農林総合技術センター |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)棚田地帯のほ場の再整備技術として、整備に伴い発生する法面の法先座標を取得する機能及び切盛土量を計算する機能を有するほ場設計支援システムを開発した。また、ハウスへの水供給装置における渓流水中の浮遊物質を除去するろ材として、除去率、目詰まりのしにくさから寒冷紗1mm目合いを選定した。2)棚田地帯の自然災害対策技術として、ハウスほ場における法面崩壊の原因となる雨水の横浸透を効率的に防止できる遮水技術を開発し、農水省の計画基礎諸元調査委員会(個別調査・水田)に提示した。また、中山間・傾斜地を対象としたハザードマップの作成に向けて、強風域の推定精度を向上させるために乱流モデルを改良し、これを用いて山体前後の瞬間風向風速を推定したところ、山体後方における局所的な強風の発生を確認できた。3)ハウス内の暑熱緩和技術として、夏季の花壇苗育苗に成型培地を用い、培地に向けて送風し培地水分の気化を促進することにより培地温度を低下させる技術を開発した。本技術により、高温下の育苗におけるパンジーやミニシクラメンの生育不良を改善することに成功した。また、20年度までに開発した簡易細霧冷房システムについて、噴霧ノズル付き循環扇を採用することにより、設置や維持管理を簡便化するとともに、導入コストを10a当たり約75万円に引き下げた。4)トマトの低段密植栽培技術については、幅5.4mのハウスにおける試験により、1作目(5月~8月)は3段摘心で6t/10a、2作目(7月下旬~12月)は9月末まで摘心を遅らせることにより9t/10a、2作合計で15t/10aの収量を得られることを確認した。また、夏季の冷水育苗技術として、セル育苗・ポット育苗において昼間のみの根域冷却を行い、徒長抑制効果、乾物重や苗の活着強度の向上効果を確認した。5)低コストな養液栽培技術として、定期的に給液を行う従来法と同等の収量を維持しつつ施肥量を節減可能なハイブリッドシステム(排液量の変動により給液のタイミングを制御)を開発した。6)小規模施設での自然エネルギー利用を図るため、太陽光発電を利用し、地下冷熱源で得られた冷気をトマトの根域と生長点へ施用したところ、果実収量が約20%増加した。7)野菜指定産地の農家は、市場への共同出荷が主体のため価格形成力を持たず、消費動向も把握できないことを明らかにした。また、小規模農家の販売ルートの1つである小規模直売所のネットワーク化は、生産者等への幅広いPR効果を有するだけでなく、直売所関係者に意識変化をもたらし、その持続的な運営は生産活動の活性化にも効果的なことを明らかにした。 |
カテゴリ | 育苗 傾斜地 コスト 栽培技術 シクラメン 施設園芸 出荷調整 水田 施肥 中山間地域 低コスト トマト パンジー 養液栽培 |