h.疾病及び病原体の疫学的特性解明による防除対策の高度化

課題名 h.疾病及び病原体の疫学的特性解明による防除対策の高度化
課題番号 2009013946
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,疫学研究チーム
協力分担関係 京都大学
(財)自然環境研究センター
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)19年度に富山県内の食肉処理場に搬入された豚から肉眼的に胸膜肺炎が認められた症例を病理学的に検査し、免疫組織化学的に胸膜肺炎病原体であるActinobacillus pleuropneumoniae 2型菌抗原を検出した。そのうちの一部では菌塊周囲に星状のアステロイド小体を伴う肉芽腫性炎を認め、本菌の感染による肉芽腫性肺炎の存在及びその病理学的特徴の詳細を明らかにした。2)20年度に行った全国の放牧場341ヶ所に関する調査結果を分析した。放牧牛における小型ピロプラズマ病やダニ汚染と放牧場周辺で認められる野生動物との関連については、放牧場にダニを持ち込む運搬者としての可能性は、シカでは低くサルやイタチ等のほかの野生動物の方が高いことを明らかにした。3)全国的なサーベイランスが行われている24家畜疾病について定性的に分析し、検査手法の変更が必要で、結果の利活用や検査目的に応じた情報の収集が不十分なサーベイランスを認め、その情報を行政へ提供した。ブルセラ病や馬伝染性貧血などほとんど国内発生のない疾病については、定期的なサーベイランス実施の必要性を検討すべきであると判断した。伝染病の伝播要因として家畜の移動距離の長さが重要であることから家畜の国内移動状況について調べたところ、牛では農場から農場への移動より農場からと畜場への移動距離が長いこと、と畜場への移動は肉牛よりも乳牛の方が長いことを明らかにした。これらの成績も行政へ提供した。4)近年急増している牛白血病について農場内における伝播リスク要因を分析し、従来から指摘されていた「注射器や直腸検査用手袋の使い回し」のほかに、「除角を行う」、「夏季のアブが異常に多い」、「繋ぎ飼いにしない」ことがリスク要因となることを明らかにし、行政に提供した。5)生物研のジーンバンク事業のサブバンクとして、年間300菌株以上の家畜病原微生物を収集して性状解明を行い、継続的に病原微生物のデータベースの構築を実施した。また、疾病の発生状況についても家畜伝染病予防法で規定された監視伝染病について、行政機関と連携し発生情報を収集・分析し、ホームページ等を利用して発信した。
カテゴリ シカ データベース 肉牛 乳牛 防除

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