a.土壌及び作物体内成分の分析・診断技術の高度化

課題名 a.土壌及び作物体内成分の分析・診断技術の高度化
課題番号 2009013971
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,土壌作物分析診断手法高度化研究チーム
協力分担関係 東京大
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 農耕地の適正管理のための土壌診断手法の開発では、1)長期資材連用試験のデータベースを用いて、水田ほ場の土壌全炭素は、壌質以下より粘質以上の方が、2毛作より水稲単作の方が維持・増加される傾向があることを明らかにした。また、非黒ボク土畑ほ場において、試験開始時の全炭素含量と連用年数を変数として全炭素変化量を表す帰納式を作成した。2)北関東水田地帯を対象に、水稲作付前で降雨直後の航空機リモートセンシングデータを用いて、水田高度利用適地図の一部を担う土壌水分状況区分図を作成した。区分図は、現地農家の聞き取りや大豆の生育状況とよい一致を示した。3)土壌の窒素肥沃度診断手法の開発に向けて、可給態窒素と高い相関を有する土壌の80℃・16時間水抽出画分を対象とし、化学発光窒素検出HPLCによって抽出画分に含まれる土壌のたんぱく質態窒素を分子量分離測定することに成功した。この土壌たんぱく質は多数からなり、土壌の種類によって分子量の構成が異なることを初めて明らかにした。 作物ストレスの早期検出・診断手法の開発では、新たな取組を開始し、1)ホウ素欠乏ストレスにより減収した水耕大豆葉のラムノガラクツロナンII架橋率の値は対照に比べて小さく、診断指標として有用であることを確認した。また、重金属添加培土でポット栽培したこまつな中のファイトキレチン含量は、植物体中CuまたはCd含量の増加に応じて上昇することを明らかにした。2)密閉容器内で低酸素ストレスを与えた時の大豆発芽率は、貯蔵期間が比較的長い種子では低下傾向が大きいが、抗酸化物質の添加により発芽率低下が軽減されることを見出した。 作物品質成分に関わる代謝物質分析法の開発では、1)しその香気成分について、ほ場栽培した試料のプロファイリングデータの収集を進めた。また、にんじん、こまつな、りんごの香気成分プロファイリングのための分析法(前処理、GC/MS測定)及びデータ解析法を開発した。にんじんでは肥培管理よりも個体中の部位差が大きいこと、及びりんごでは栽培管理による相違が顕著であることを見出した。 作物体内の窒素代謝に関わる内生細菌の役割及び硝酸蓄積の機構解明では、1)甘しょより分離した内生窒素固定菌のBradyrhizobium属細菌は、大豆などの豆科作物には根粒を形成しないが、甘しょには感染し地上部に定着することを明らかにした。また、連作大豆の根粒中には、Agrobacterium属、Bacillus属を含む多様な非共生細菌が感染していることを示した。2)硝酸蓄積に関与するヘモグロビンの発現が抑制された稲培養細胞では、亜硝酸添加により生育が低下するとともに、特定のたんぱく質が顕著に減少することを明らかにした。 ナノテクノロジーを利用した作物生理計測・制御技術の開発では、1)豆類の種皮表面の微細凹凸構造を計測・評価し、昨年度開発した石豆解消装置を用いた大豆及び小豆の吸水促進技術を開発するとともに、大豆縮緬じわ粒の滑面化など表面微細構造の特徴は、リュウホウでも昨年度のエンレイと同様であることを明らかにした。
カテゴリ こまつな 栽培技術 診断技術 水田 大豆 データベース 土壌診断 にんじん 肥培管理 リモートセンシング りんご

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