課題名 |
県産野菜ブランドパワー強化技術の開発 |
研究機関名 |
奈良県農業総合センター
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研究分担 |
野菜栽培
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研究期間 |
継(H18)~(H22) |
年度 |
2008 |
摘要 |
サトイモ、ナス等の数品目の野菜について、簡易手法による食味特性の数値化、調理特性の解明、および好適料理メニューの整理を行い、県産野菜ブランド強化を図ることが目的。(1)調理特性の明確化のための物性・内容成分評価と基本料理における美味しさ・食感評価:イチゴは官能試験結果と成分・物性との間で相関の有無を、サトイモは調理特性について品種間差があることを、それぞれ確認した。ナスでは幾つかの物性について品種間差異の有無を、クロロゲン酸含量と渋味に対する食感の間の相関が高い調理法と相関が低い調理法があることを、それぞれ確認した。ナス果実は、凍結乾燥試料の実体顕微鏡観察や生果の走査型電子顕微鏡観察により、組織構造が観察できることを確認した。ナス・サトイモ・カボチャについて基本料理における美味しさに品種間差異があり、ナス・サトイモでは調理特性と関係の深い品質特性があることを確認した。トウガラシ類では、水分含有量と果実重量に占める種子重量の割合に品種間差を認め、官能検査により調理適性に品種間差があることが示唆された。ヒモトウガラシに、エネルギー代謝の活性を促す非辛味成分カプシノイドが含まれることを確認した。ヒモトウガラシのカプシノイドを有効摂取する方法が不明確。ナスは組織構造と調理特性の関係が不明確。、(2)食味・品質向上のための栽培条件の解明:イチゴ10品種の糖・酸度を収穫時期別に調査した結果、糖度はいずれの品種においてもほぼ同様の変動傾向を示すが変動幅は品種により異なり、酸度の品種間の相対的関係は収穫時期による変化が少なかった。炭酸ガス施用がイチゴ系統「奈良8号」の食味に及ぼす影響はほとんどみられなかった。ヤマイモの種芋小分割大量増殖法を用いた栽培において、収穫時期と芋重・品質の関係について調査し、食感や褐変程度が変化すること、10月以降に収穫した芋の品質は11月収穫と同等であることを確認した。ベンチを利用した効率的な種芋増殖法を検討し、おがくず培地で増殖可能であることを確認した。現地導入可能なヤマイモの種芋小分割大量増殖法が未確立。、(3)伝統野菜の遺伝的位置付けの明確化:サトイモのゲノム分析では「味間芋」が「石川早生」や「上庄系」と同じグループに分類された。大和マナの品種・系統は、いずれも翼葉を有するものの、葉縁の鋸歯と毛じの多寡については多様であり、県外に表現型が類似するツケナが存在し、表現型からは、これらのツケナと大和マナの品種群を明確には区別できなかった。
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カテゴリ |
いちご
かぼちゃ
乾燥
栽培条件
さといも
伝統野菜
とうがらし
なす
品種
良食味
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