果樹の新品種育成

課題名 果樹の新品種育成
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 果樹研究所
研究期間 継H18~H22
年度 2009
摘要 目的:遺伝形質の品種ごとのグラフィカルデーターベースを構築し、育種目標実現確率の高い交雑組合せ選定の効率化を図る。、成果:(1)1次選抜としてモモ実生240個体を調査し、1個体は登録済み、5個体を現地試作(再1個体)、3個体を注目(新規3個体)、44個体を注目候補、143個体を再調査、15個体を保存、29個体を淘汰と評価した。(2)昨年度までの注目系統3系統(73-4、84-1、80-5)と新たに注目とした101-12、104-4、99-24について特性を調査し、73-4、84-1を2次選抜、80-5を注目解除して保存とした。101-12は肉質が緻密でしっかりしており、日川白鳳に変わる品種として品質・栽培特性が安定しているので、試食検討会を開催し、命番・現地試作を検討する。(3)現地試作系統2系統の特性を調査した。「モモ福島11号」の官能検査での評価は「暁星」と比較して熟期は2~3日遅い。果実肥大は少なくとも1階級優る。肉質は劣るが、食味は「暁星」と同等以上。商品性、普及性は「暁星」並みかやや優るという結論であった。「モモ福島12号」は官能検査では「まどか」と比較して外観、着色ではほぼ同等の評価であった以外は、いずれの項目でも「まどか」より優る評価であった。特に果汁と甘味で高い評価が得られた。(4)新たに「モモ福島13号」「モモ福島14号」を現地試作系統とした。「モモ福島13号」は満開期が「あかつき」と同時期、収穫始めは8月10日で「川中島白桃」より7日早かった。収穫終りは8月20日であった。果実肥大は良好であったが、糖度は12.0%で、2003、2005年に並んで低かった。これら3か年とも収穫前10日の累積降水量は95ミリ以上であった。「モモ福島14号」は官能検査では「川中島白桃」と比較して着色ではほぼ同等の評価であった以外は、いずれの項目でも「川中島白桃」より優る評価であった。特に肉質の評価が極めて高く、果汁と甘味でも高い評価が得られた。(5)糖度の分散要因を検討した。3か年の解析から、糖度は収穫前10~14日の積算値との関係が高いものと推察された。また、3か年の全データにより、収穫日と収穫前3~14日の積算降水量により有意な重回帰式が得られた。「モモ福島12号」「つきあかり」「84-1(モモ福島14号)」は降水量の影響を受けにくく、最も安定している高糖度系統であると考えられた。、(2)リンゴの交雑・選抜による育種、(1)1期交雑1次選抜として11組合せ89個体について調査を行い、2個体を注目、67個体を再調査、13個体を淘汰、7個体を保存と評価した。2個体を新規注目候補とした。(2)2期交雑1次選抜として4組合せ125個体について調査を行い、1個体を注目、105個体を再調査、20個体を淘汰、2個体を保存と評価した。自家摘果性の獲得を狙った交雑で、1%の危険率で「ふじ」と有意な差があり、かつ1果叢当りの側果数が1未満の系統は31.3%であった。、(3)注目系統の調査結果は、、41-45を「リンゴ福島6号」として現地試作試験に移し、その他継続1個体、不良3個体であった。不良と評価した個体は保存系統に移行する。「リンゴ福島6号」の官能検査では、「リンゴ福島6号」は、「ふじ」に比較し、甘味はやや劣り、酸味がやや強いものの、総合的には概ね「ふじ」よりも良好であると評価された。(4)現地試作系統「リンゴ福島5号」の特性を調査した。官能検査では着色や触感は良好であったが、酸が少なく淡白であったことから食味の評価は低かった。また、産地間のバラつきが大きいことから、次回以降の検討会は現地の結実状況に応じて行うこととした。、(3)ナシの交雑・選抜による育種、(1)1次選抜として第2期交雑の23組合せ831個体中、495個体について果実品質調査を行い、2個体(25-20、42-7)を注目候補系統とした。今年度までに、558個体の果実品質調査を行い、その結果、1個体を現地試作系統(ナシ福島4号)、3個体を注目系統、9個体を注目候補系統とし、235個体を淘汰と判定した。また、第3期交雑の4個体について果実品質調査を行い、1個体(49-38)を注目候補系統とし、3個体を継続調査とした。(2)第2期交雑実生から選抜した注目候補系統9個体の果実品質調査を行い、食味、糖度と収穫期を考慮して、7個体を継続調査とし、2個体(31-25,31-43)については注目候補系統を解除し、淘汰とした。(3)「ナシ福島4号」について、原木または高接ぎ樹により、果実の肥大調査および特性調査を行った。今年度の果実品質は、収穫期が原木、高接ぎ樹ともに9月17日であり、果実重が原木で約380g、高接ぎ樹で約520gとなった。糖度は原木で13.0%、高接樹で12.7%、pH5.0と酸はほとんど無く、甘味系で食味良好であった。試食検討会の結果、継続調査との意見がほとんどであった。、(4)ブドウの交雑・選抜による育種、(1)赤系の無核品種と肉質の改善を目的として3組合せで交雑を行った。採種した種子は大半が胚及び胚乳が退化していた。胚培養により「安芸クイーン」×「あづましずく」1個体を鉢上げ馴化した。
カテゴリ 育種 新品種育成 高接ぎ ばら 品種 ぶどう もも 良食味 りんご

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