課題名 | c.粗飼料自給率向上のための高TDN収量のとうもろこし、牧草等の品種育成 |
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課題番号 | 2010014841 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,飼料作物育種研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,寒地飼料作物育種研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,飼料作物育種研究東北サブチーム |
協力分担関係 |
家畜改良センター 道総研 雪印種苗 ホクレン 道総研 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | とうもろこしでは、1)耐湿性品種の育成に向けて、不定根形成能QTLを導入した系統について、かん水処理試験を2か所で行ない、開始時期が5~6葉期のときに比較的安定して耐湿性の系統間差異が見られることを確認した。また、不定根形成能を支配するQTLを導入した系統で生じた小雌穂化の原因の候補領域が第8染色体の不定根形成能QTLの近傍にあることを確認し、本遺伝領域を正常な遺伝領域に組換えるための戻し交配を行った。2)寒地向け高TDNとうもろこし品種「北交70号」を育成した。本品種は、すす紋病抵抗性が同熟期の品種の中では"極強"で、TDN収量も標準品種「ブリザック」と同程度の12t/haであり、道央・十勝・網走地域に適する。 牧草については、1)ミネラルバランスに優れたイタリアンライグラスの耐病性育種素材の開発では、通常品種より硝酸態窒素含量が低く、かつ冠さび病抵抗性も付与した素材系統を開発した。2)機械踏圧耐性アルファルファ系統の開発では、20年度までに選抜した4系統について播種2年目(22年度)の踏圧処理を行い、踏圧無処理に対する乾物収量の減少割合が標準品種「ハルワカバ」より4%低く、踏圧耐性に優れる1系統を開発した。3)集約放牧向きフェストロリウム系統の開発では、21年度に選定した9母系について土壌凍結地帯(芽室、中標津、別海)での評価の結果、それらの中から越冬性がメドウフェスクよりも高く、短草管理での再生草勢がペレニアルライグラスより優れる栄養系を選抜し、これらの組み合わせにより6系統を開発した。また属間雑種であるフェストロリウムの祖先種ゲノムの構成を評価し育種を効率的に進めるため、ゲノミックin situ ハイブリダイゼーション(GISH)法によるフェストロリウム個体の祖先種ゲノム識別と、画像解析法の応用によるフェスク類の平均ゲノム構成率の算出法を開発した。4)高糖含量オーチャードグラス系統の開発では、20年度から開始した4系統(「北育89号」、「北育91号」、「北育92号」、「北育93号」)の4試験地での生産力予備試験の結果から、乾物収量は標準品種「ハルジマン」と同程度で、糖含量が試験地、番草、年次をとおして安定して約3%高く、サイレージ発酵品質に優れる「北育92」、「北育93号」を高糖含量系統として開発した。 |
カテゴリ | アルファルファ 育種 イタリアンライグラス 寒地 耐湿性 抵抗性 とうもろこし 播種 品種 |