課題名 | h.暖地における長距離移動性、新規発生等難防除害虫の発生メカニズムの解明と総合防除技術の開発 |
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課題番号 | 2010014865 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,難防除害虫研究チーム |
協力分担関係 |
農業生物資源研究所 鹿児島県農業開発総合センター 近畿大学 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 1)長距離移動性イネウンカ類については、トビイロウンカとセジロウンカに適応可能な簡易な微量局所施用装置を用いた薬剤抵抗性検定法を開発した。また、イネウンカ類の飛来源地域における5年間のモニタリングから、日本に飛来するトビイロウンカとセジロウンカの薬剤抵抗性、およびトビイロウンカの抵抗性品種加害性の変動が、飛来源のベトナム北部での変動と一致することを明らかにした。これらの結果から、飛来源地域の抵抗性の情報を迅速に収集・把握することで、日本に飛来するイネウンカ類の薬剤抵抗性や品種加害性の予測が可能となり、発生予察の精度が向上することを示した。2)新害虫フタテンチビヨコバイの発生メカニズム解明のため、飼料用とうもろこしでのワラビー萎縮症発生量に関連の大きい7~8月のフタテンチビヨコバイ発生量が、前年冬期および当年初夏の気温や降水量などの気象条件によって予測できることを明らかにし、これを利用した発生予測モデルを開発した。3)ハスモンヨトウに対する大豆の誘導抵抗性メカニズムについては、幼虫が加害した大豆品種「Bay」では、加害直後からジャスモン酸とジャスモン酸イソロイシンの量が増加し、その後株全体に広がることから、本物質が誘導抵抗性発現に関与することを解明した。4)ダイズカメムシ類については、21年に引き続いて圃場試験データを解析し、ホソヘリカメムシの合成フェロモンは大豆開花後に大量の成虫、特に雌成虫を誘引し、誘引ピークと前後して圃場内のホソヘリカメムシ密度が上昇することを明らかにした。このことから、合成フェロモンを大豆圃場に設置することにより、ホソヘリカメムシの発生予察、特に雌成虫の大豆圃場への飛来・侵入時期を把握できることを示した。5)有害線虫については、亜熱帯性ネコブセンチュウ3種に対する対抗植物3種の効果について21年に引き続いてほ場試験を行い、主要対抗植物3種ともに線虫密度を概ね低く抑えることを確認した。さらに、有害線虫の検出法、生理・生態的特徴および対抗植物等を利用した防除法について最新の知見をまとめ、有害線虫総合防除技術マニュアルを作成した。 |
カテゴリ | 亜熱帯 害虫 カメムシ 飼料用作物 総合防除技術 大豆 抵抗性 抵抗性検定 抵抗性品種 とうもろこし 品種 フェロモン 防除 モニタリング 薬剤 |