d.イネゲノム解析に基づく品質形成生理の解明と育種素材の開発

課題名 d.イネゲノム解析に基づく品質形成生理の解明と育種素材の開発
課題番号 2010014886
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,米品質研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,米品質研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,米品質研究近中四サブチーム
協力分担関係 福山大学
京都府立大学
(株)サントク
お茶の水女子大学
敷島製パン(株)
新潟県農業総合研究所
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 段階的なアミロース含有率を有する系統群や多様なでん粉特性の変異系統の開発と加工用途適性の解明については、1)各種のアミロースライブラリー系統を選抜するとともに、一部のライブラリー系統については企業と共同で加工食品の試作を行った。2)アミロース含有率を低減させる遺伝子間にはアミロース含有率低減化に関する相加効果があり、遺伝的にアミロース含有率を制御できることを明らかにした。3)多収穫米を中心にのべ60以上の品種系統について、製パン性の評価を行ない、コシヒカリ程度のアミロース含有率で損傷でん粉含有率が低い米はパン製造に品質上の問題がないこと、施肥に起因するたんぱく質含有率の増大は比容積やパンの硬さにはあまり影響しないことを明らかにした。4)粒子径が小さい米粉になる系統は穀粒硬度から予測可能であるが、粉砕時の損傷でん粉量の予測は困難であること、また、米から抽出した粗たんぱく質をパン生地に添加するとミキシング時間が短くなり、たんぱく質組成がミキシング時間の変化に影響していることを明らかにした。5)玄米を長めに水に浸漬して粉砕するだけで、質の良い米粉ができ、これを用いることで膨らみが良く、栄養的にも優れて美味しい米粉パンが製造可能となることを明らかにした。機能性成分を有する育種素材の開発と品質形成機構の解明、脂質分解酵素欠失系統における貯蔵特性や米たんぱく質等のアレルゲン性の解明については、1)可消化性たんぱく質が「コシヒカリ」の6割程度の低アミロース米系統「中国204号」は、「LGCソフト」並の早生であり、収量は約10% 多収であった。2)巨大胚・低アミロースの「中国胚202号」は現地試験において「はいいぶき」比120% と多収となり、発芽性も優れていることから平成23年度を目途に品種登録に申請する。3)貯蔵性の改良・古米臭低減を目的としてLOX-3欠失性に関するDNAマーカーを利用した選抜を行い、これまでLOX-3欠失系統で問題となっていた穂発芽性が"やや難"まで改良された「北陸244号」を(共同)育成した。4)コメヌカの抽出液をクロマトグラフィー等で分画した画分から、これまで植物には存在しないとされた神経突起伸展促進能を有するシアル酸含有化合物を含む画分(新規複合成分)を見出した。その他、1)高温処理によりインベルターゼ活性の低下が認められたことより、ショ糖代謝能の低下が高温によるでん粉合成量の減少につながる可能性が示された。2)遮光処理により同化産物の供給が制限され登熟停止状態に入った穎果では、細胞構成成分の分解が既に始まっていることを明らかにした。
カテゴリ 育種 加工 機能性成分 施肥 DNAマーカー 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる