h.遺伝子組換え技術の高度化と複合病害抵抗性等有用組換え稲の開発

課題名 h.遺伝子組換え技術の高度化と複合病害抵抗性等有用組換え稲の開発
課題番号 2010014890
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,稲遺伝子技術研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,稲遺伝子技術研究北陸サブチーム
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 遺伝子発現の強度・時期・特異性の制御技術、閉花受粉関連遺伝子の特定等、交雑・混入防止技術の開発については、1)遺伝子発現の制御技術について、病害抵抗性付与のツールとして開発してきた病原菌の感染によって誘導される遺伝子のプロモーターにおける転写因子結合配列と推定される領域を加工し、いもち菌と白葉枯病の接種によって特異的に誘導される、新たな人工プロモーターを開発した。また、外来遺伝子産物の高蓄積技術としてダイズコングリシニンを最大で米重量の約1%まで高蓄積する組換え系統を開発した。2)閉花受粉関連遺伝子の特定等交雑・混入防止技術の開発では、spw1-cls変異による閉花性の温度依存性を複数地域での栽培から解析し、閉花程度に影響する気温の幅を明らかにするとともに、実用品種へ導入する交配を行った。さらに、鱗被の形成を阻害するOsMADS2のRNAiカセットを導入することにより、低温下におけるspw1-clsの開花を安定的に抑制できる可能性を示すとともに、「北陸193号」由来の変異系統から見出された閉花性系統について、異なる温度条件での開花の程度を調査し、この系統の閉花性が温度条件によらないことを確認した。作物の重要形質発現に関わる新規遺伝子の単離と機能解析、高機能・高付加価値化技術の開発については、1)白葉枯圃場抵抗性関連遺伝子XC20とXC43について、その構造と機能をほぼ明らかにした。稲にもディフェンシン様抗菌蛋白質が存在することを見出し、これが既知のカラシナ由来のものと同等の抗菌活性を有することを示した。また、らん藻の光合成関連遺伝子(FBP/SBPase)を導入した稲を開発し、後代系統で光合成能の向上を確認した。高温不稔の回避技術の開発では、高温処理により発現が変動する遺伝子の制御に関わるシス領域の候補を得た。病害抵抗性が付与された組換え稲系統や高トリプトファン含有稲の開発については、1)病害抵抗性組換え稲系統の開発ではT2世代でチオニン遺伝子の安定した発現を確認するとともに除草剤抵抗性の発現を確認した。イネ萎縮病ウイルス抵抗性「日本晴」系統ならびにイネ萎縮病ウイルス/イネ縞葉枯病ウイルス抵抗性「タチアオバ」については、各系統でそれぞれの抵抗性を後世代でも安定して発現することを確認した。2)高トリプトファン含量稲について2年目の隔離ほ場栽培を実施し、トリプトファンの高蓄積を確認した。また、一部の農業形質が原品種と有意に異なることを認めた。特に稔実率、千粒重、発芽率などの収量性関連形質がトリプトファン含量の高い系統ほど劣る傾向から、高すぎるトリプトファン蓄積が稲の生育に悪い影響を及ぼし、中程度含量が適切であることが明らかになった。リジン高蓄積系統については、リジンが葉では高蓄積するものの、米粒では代謝によって減少する。そこで、米粒中での代謝酵素の活性を抑制したところ、リジン含量の増加が可能なことを実証できた。
カテゴリ 病害虫 萎縮病 加工 からしな 高付加価値 混入防止技術 縞葉枯病 受粉 除草剤 大豆 抵抗性 病害抵抗性 品種

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