課題名 | e.良食味で加工適性に優れた甘しょ品種の育成と新たな有用特性をもつ甘しょ育種素材・系統の開発 |
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課題番号 | 2010014909 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,サツマイモ育種研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,食用サツマイモサブチーム |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 1)複合病害虫抵抗性を備えた青果用・加工用の品種育成に関しては、「関東128号」がサツマイモネコブセンチュウと黒斑病に複合抵抗性を示すことを明らかにし、塊根がやや小粒の特徴をもつ青果用の有望系統として選抜した。また、「関東131号」がサツマイモネコブセンチュウとつる割病等に複合抵抗性を示し、蒸切干加工時のシロタの発生がほとんどなく、食味も優れていることを明らかにし、蒸切干用の有望系統として選抜した。2)さらなる加工適性や貯蔵性等の優れた青果用、加工用甘しょ品種の育成に向けて、加工適性や貯蔵性に関わる塊根の組織・細胞形態や糖質成分について明らかにした。すなわち、肉質の異なる品種間で細胞の形や分離性が異なること、貯蔵に伴う肉質変化には、でん粉含有率、塊根の水分動態、組織・細胞の形態に加え、細胞の分離性やでん粉の細胞内糊化に影響する細胞壁多糖類(ペクチン)が関与していることを明らかにし、これらがサツマイモの肉質、加工適性や貯蔵性に関わる指標として重要であることを示した。3)直播適性の高い系統の開発については、直播栽培で慣行(挿苗)栽培の「シロユタカ」と同等以上の収量性を示す原料用カンショ新系統「九系291」を開発した。「九系291」は収量や品質の不安定化をもたらす親いもの収穫物に占める比率が「シロユタカ」より小さく、ネコブセンチュウおよびネグサレセンチュウに対し抵抗性を示すことを明らかにし、今後の実用的な直播適性品種育成の可能性を示した。4)甘しょ近縁野生種の連鎖地図の情報を活用した有用選抜マーカーの開発については、前年度に見いだした「ハイスターチ」のサツマイモセンチュウ抵抗性に関連するAFLPマーカー2個について、増幅される領域の内部および隣接した塩基配列を解析し、プライマーの再設計と増幅条件の検討を行うことにより、増幅されるバンドの有無が元のF1集団のAFLPマーカーと一致するSTSマーカー2個を開発した。また、そのうちの1 個は2 倍体野生種連鎖地図のM10 連鎖群上に位置付けられ、その近傍のAFLPマーカーを用いてより精度の高いDNAマーカーが作出できることを明らかにした。 |
カテゴリ | 育種 害虫 加工 加工適性 かんしょ 直播栽培 DNAマーカー 抵抗性 評価法 品種 良食味 |