a.新興・再興人獣共通感染症病原体の検出及び感染防除技術の開発

課題名 a.新興・再興人獣共通感染症病原体の検出及び感染防除技術の開発
課題番号 2010014928
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,人獣感染症研究チーム
協力分担関係 広島大学
帯広畜産大学
北里大学
静岡県立大学
長崎大学熱帯医学研究所
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 高病原性鳥インフルエンザウイルスの診断法の高度化については1)H5、H7亜型遺伝子を検出するためのリアルタイムRT-PCRの開発にあたり、プローブ、プライマー中の混合塩基の検出感度の影響を検討し、感度、特異性の高い検出系を確立した。21年に新たに出現した豚由来インフルエンザウイルスの人での流行により豚群への進入が危惧されたことから、従来から豚群で流行している古典的豚インフルエンザウイルスの中でパンデミック(H1N1)ウイルスを特異的に検出するリアルタイムRT-PCRを開発した。高病原性鳥インフルエンザ防疫上重要な情報である自然界での生残時間の解析では、4℃であれば海水中でも3カ月以上生残すること、家禽糞便の存在下でも一週間以上は生残することを明らかにした。鳥インフルエンザウイルスの病原性発現機序の解析においては、遺伝子組換え技術を用いて人工ウイルスを作製し、それら人工ウイルスの鶏感染実験を行い、病原性に関わるウイルス側、宿主側の要因の解析を行った。その結果、ウイルスのNPたんぱく質に認められる2つのアミノ酸置換が鶏に対する病原性の違いに関与していることを突き止めた。また、ウイルス内部遺伝子の組み合わせの異なる17株の人工ウイルスは、ウイルス感染ニワトリの死亡時間を指標に3群に分けられ、死亡時間が病原性指標となることを明らかにした。ウエストナイルウイルス等人獣共通感染性フラビウイルスの研究においては、1)2年間にわたるウエストナイルウイルス媒介蚊の捕獲調査によって、降水量の違いが捕獲数の変動に関与することを示した。蚊の種別にみると夏季の降雨量の増減は、幼虫が雨水溜等で生育する種の捕獲数に影響を与えるが、水田等で生育する種の捕獲数への影響が少ないことを明らかにした。また、日本脳炎ウイルスを感染させたマウスを吸血したヒトスジシマカ体内でのウイルス増殖の動態を明らかにした。さらに、蚊中腸からは吸血直後からウイルスRNAが検出されること、唾液腺、頭部、脚、翅からは吸血14日以降ウイルスRNAが検出されることを明らかにした。マダニから単離した吸血に関連するたんぱく質については、1)マダニの吸血・付着・消化生理を支えるたんぱく分解酵素およびプロテアーゼインヒビターたんぱく質のcDNAを単離、発現させることによって3種の生物活性を保持した組換え産物(マダニアプロチニン、マダニシスタチン、レグマイン)を得た。得られたマダニアプロチニンの解析によって、本たんぱく質が、マダニ中腸に内在し、フタトゲチマダニ特有のセリンプロテアーゼの活性を効率よく阻害すること、遺伝子発現が飽血によって誘導されることを示した。抗バベシア原虫作用を持つロンギスタチンの解析によって、本たんぱく質が17.8 kDaのEF-カルシウム結合ドメインを持つたんぱく質であること、フィブリノーゲンを加水分解し、フィブリンクロット形成遅延作用を持つことを明らかにした。
カテゴリ 水田 防除

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