b.ウイルス感染症の診断・防除技術の高度化

課題名 b.ウイルス感染症の診断・防除技術の高度化
課題番号 2010014929
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,ウイルス病研究チーム
協力分担関係 日本大学
岩手大学
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部畜産試験場
広島県立総合技術研究所畜産技術センター
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 豚繁殖・呼吸障害症候群、ロタウイルス、コロナウイルス等の高精度な診断法の開発では、1)豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスにおいて、ヨーロッパ型PRRSウイルスを特異的に検出するワンステップリアルタイムRT-PCR法を開発した。本法はRT-PCR法の約10,000倍、nestedPCR法の約10倍高い感度を有していた。ヨーロッパ型PRRSウイルスが検出された農場を含む4県14農場での浸潤調査では、当該農場以外でヨーロッパ型ウイルスは検出されなかった。1992-2009年に日本で検出された北米型PRRSウイルスの分子系統樹解析により、流行株の遺伝学的多様性は時間の経過とともに拡大していることが判明した。2)子豚下痢症の主原因である豚A群ロタウイルスの試作不活化ワクチンは母豚への接種により乳汁を介した母子免疫(受動免疫)を誘導して子豚下痢の防御効果を示すことを明らかにし、発症防御試験により効果判定を可能にした。B群ロタウイルス主要構造たんぱく質VP6の解析により診断上重要な抗原学的多様性を明らかにした。豚コロナウイルスの浸潤状況調査の結果、国内6地域171農場のうち18%の農場で伝染性胃腸炎ウイルスを中和する抗体が検出されたが、その大半は豚呼吸器コロナウイルス感染に起因する抗体であることが明らかとなった。豚テシオウイルスによる脳脊髄炎の発病メカニズムとしてウイルス血症が重要であることを実験感染により証明した。3)馬コロナウイルス感染症の迅速診断法開発のため、21年度に作製した組換え馬コロナウイルスNたんぱく質をNiカラムにより精製してELISA用抗原を調整し、さらに同たんぱく質を免疫原として本ウイルスと特異的に反応するモノクローナル抗体を作製した。 家畜のレトロウイルス等に起因する持続感染ウイルス病に関して、1)放牧場でのおとり牛導入による感染伝播試験の結果、牛白血病プロウイルス保有量の多い牛は感染源となり易いという可能性を実証した。牛白血病ウイルスの全国的な浸潤状況調査を行い、25年前に比べて乳用牛で約8倍、肉用牛で約2倍に感染率が上昇していることを確認した。家きんのウイルス病について、1)ニューカッスル病ワクチンを水道水で希釈して直ちに使用した場合、ワクチン効果が低減することを実験感染により確認した。2)H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスを接種したスズメに鶏を同居させた結果、鶏への感染が認められたことから、スズメから鶏にウイルス伝播が起きることを明らかにした。
カテゴリ 肉牛 繁殖性改善 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S