課題名 | c.国際重要感染病の侵入防止と清浄化技術の開発 |
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課題番号 | 2010014930 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,国際重要伝染病研究チーム |
協力分担関係 |
宮崎大学 栄研化学(株) |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 平成22年4月に宮崎で口蹄疫が発生したことから、機構法第18条に基づく農林水産大臣要請を受け、口蹄疫の病性鑑定とともに防疫に関連する研究を優先して実施した。1)口蹄疫感染家畜殺処分後のウイルス残留を科学的に検証するため、排泄物への口蹄疫ウイルスの排出を確認するとともに、発生現地で採取した留置物(糞便、スラリー、浄化処理水)等からのウイルス検出を試み、RT-PCRを用いた家畜排泄物等からの口蹄疫ウイルスの検出手法を確立した。また、本法を用いて発生地域内の農場で採取した留置排泄物等におけるウイルスの検出を行い、いずれの試料においてもウイルスは検出されないこと、また、農場内留置物の主体である糞便中の口蹄疫ウイルスの残存性についての検討から、70℃で1日以内、50℃でも3日以内にはRT-PCRの検出感度以下まで減少したが、37℃以下の温度条件では少なくとも約1ヶ月間は検出されることを明らかにした。2)口蹄疫の簡易診断法として利用されている海外市販イムノクロマトキットの診断精度を検証し、検出には感染価で104~105TCID50ウイルス量が必要であることを明らかにした。宮崎の発生でリアルタイムPCR陽性となった252検体について本キットの検出率を推定し、検出率が約35%であることを明らかにした。口蹄疫類似疾病について簡便な検出法を検討し、LAMP法を応用した口蹄疫の類症鑑別上重要なイバラキ病、ブルータング、牛ウイルス性下痢・粘膜病および牛丘疹性口炎の簡易かつ迅速な診断法を開発した。3)口蹄疫ウイルスの検出法として従来法のウイルスの増殖による細胞変性(CPE)を観察する方法および蛍光抗体法を比較検討し、宮崎の口蹄疫ウイルス検出ではCPE法がIBRS-2細胞で6日かかったのに対し、蛍光抗体法ではBK細胞で2日で検出可能であり、合計3日間で口蹄疫ウイルスの検出および同定が可能であることを示した。4)口蹄疫ウイルスの抗体検出法開発のために、血清型C口蹄疫ウイルスに対するモノクローナル抗体を作製した。5)豚由来培養細胞における豚コレラウイルス増殖指標として感染応答たんぱく質の発現定量法を検討し、豚由来培養細胞系におけるI型IFNの生物学的測定法とその活性に関与する遺伝子をリアルタイムRT-PCRによって検出できることを示した。 |
カテゴリ | 簡易診断 豚 防除 |