| 課題名 | e.細菌・寄生虫感染症の診断・防除技術の高度化 |
|---|---|
| 課題番号 | 2010014932 |
| 研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
| 研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,細菌・寄生虫病研究チーム |
| 協力分担関係 |
学校法人麻布獣医学園 (株)東芝 (財)実験動物中央研究所 |
| 研究期間 | 2006-2010 |
| 年度 | 2010 |
| 摘要 | 1)重要細菌性疾病防除技術の高度化では、豚レンサ球菌の調節系遺伝子clpP欠損株が弱毒ワクチン候補株としての適性を備えていること、同菌のSrtG線毛の形成にはマイナーサブユニットSpg2が必須であり、他のグラム陽性菌線毛の形成とは異なる機構で線毛の組み立てが起きることを明らかにした。さらに、同菌の異なる血清型菌株のドラフト全ゲノム配列を決定、比較して、PCR法の増幅標的となる血清型特異的な領域を見出した。また、腺疫菌の表層たんぱく質の発現には、遺伝子発現抑制たんぱく質遺伝子のフレームシフトによる抑制因子の恒常的解除が関与する可能性を指摘した。20年度に確立した遺伝子改変手法の利用が困難な遺伝子が存在することから、パスツレラ科細菌Histophilus somniの網羅的遺伝子改変技術を確立するため、PCR合成した改変DNAをメチル化処理後、直接導入する手法を検討し、遺伝子改変株の作出に成功した。この手法によって同菌の主要外膜たんぱく質遺伝子交換株を作出し、同たんぱく質が血清抵抗性に関与することを明らかにした。H. somniのIbpAたんぱく質特定ドメインは、組換えたんぱく質単独でマクロファージ細胞骨格形成障害作用を示したことから、21年度の特定ドメイン欠失株の作用喪失とあわせて、当該作用の責任領域であると結論した。2)重要寄生虫性疾病の防除技術の高度化では、牛のピロプラズマ病における貧血発病機序への関与が考えられる鉄抑制ホルモン(ヘプシジン)測定系の確立に必要な細胞株やモノクローナル抗体を作出した。アナプラズマ病の血清診断法の高度化に資する成果として、法定の病原体であるアナプラズマ・マージナーレが有する特定の抗原を同定した。さらに本抗原がアナプラズマ・マージナーレ感染牛に特異的なIgM抗体を誘導することを見いだし、アナプラズマ・セントラーレとの鑑別診断用の抗原として有望である可能性を確認した。豚回虫のミトコンドリア呼吸鎖複合体には、成虫、体内移行幼虫ともに同様の酵素活性が検出できたことから、体内移行幼虫にも有効な呼吸鎖を阻害する新たな駆虫薬の標的分子となることが判明した。鶏コクシジウムの従来の薬剤に代わる防除技術の開発に向けて、コクシジウム原虫のゲノムシーケンスの決定や、異なる感染ステージごとに発現する遺伝子のマイクロアレイ解析を進展させた。3)病理学的診断法の高度化では、マイコプラズマの免疫組織化学的検出法を確立し、マイコプラズマもパスツレラ科細菌による壊死性肺炎と同様の病変を起こすことを明らかにした。気管支ファイバースコープを用いた真菌(アスペルギルス)性肺炎の牛実験感染手法を確立し、病理組織像の特徴を把握することが可能となった。4)プロバイオティクスによる感染症制御技術では、特定の乳酸菌株を給与したマウスで、豚萎縮性鼻炎菌ホルマリン死菌の経口投与に応答して特異的IgA抗体が強く誘導され、当該乳酸菌株がプロバイオティクスとして有望である可能性を確認した。 |
| カテゴリ | 抵抗性 鶏 豚 防除 薬剤 |