a.土壌及び作物体内成分の分析・診断技術の高度化

課題名 a.土壌及び作物体内成分の分析・診断技術の高度化
課題番号 2010014960
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,土壌作物分析診断手法高度化研究チーム
協力分担関係 東京大
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 農耕地の適正管理のための土壌診断手法の開発では、1)全国の長期資材連用試験のデータベースを利用して、昨年度までに示した土壌全炭素の経年変化を表す帰納式をもとに、土壌全炭素の変動予測手法を開発し、土壌全炭素は水田では10t/ha、非黒ボク土畑では15-30t/haの堆肥連用で増加し、黒ボク土畑では15-40t/haの堆肥連用で維持できることを明らかにした。また、この手法により土壌全炭素変動予測図を宮崎県について作成した。2)北関東水田地帯を対象に、地理情報システムを利用して、水稲作付け前の裸地圃場の降雨直後の航空機リモートセンシングデータと土壌の体積含水率データから、排水性の指標となる土壌体積含水率の推定図を作成した。さらに、昨年度までに開発した手法をもとに、対象地帯全域の浅礫層分布図を作成し、対象水田地帯の土壌養水分適正管理用の土壌診断を可能とした。作物ストレスの早期検出・診断手法の開発では、1)昨年度までに開発したホウ酸架橋率を指標とするホウ素欠乏ストレス早期診断手法を用いて、大豆葉のホウ素欠乏限界含量値は、15-20 ・g B/g程度であることを明らかにした。2)大豆種子の低酸素ストレス耐性の播種前診断技術の開発へ向けて、低酸素ストレスによる発芽率低下を、抗酸化物質である没食子酸やアスコルビン酸などが軽減化することを見出し、低酸素ストレスによる発芽率低下に抗酸化システムが関与している可能性を示した。作物品質成分に関わる代謝物質分析法の開発では、1)作物香気成分を一斉分析しプロファイリング解析する分析法を開発し、にんじん、なし等の一部試料については有機栽培と慣行栽培の差を検出した。また、官能評価と果汁香気成分プロファイルを同時クラスタ解析する分析法を開発し、りんごの香りの性質や強さと関連する香気成分を抽出した。作物体内の窒素代謝に関わる内生菌の役割および硝酸蓄積の機構解明では、1)甘しょより分離した内生窒素固定菌の窒素固定活性は、酸素分圧および窒素栄養条件の影響を受けること、および甘しょに接種したBradyrhizobium属内生菌の感染・定着には宿主の窒素栄養条件の影響は小さいことを解明した。2)昨年度まで、硝酸蓄積の低減に植物ヘモグロビンが寄与することを解明してきたが、ヘモグロビン発現を抑制した水稲培養細胞で、亜硝酸添加により増減するたんぱく質を同定し、ヘモグロビン減少時の亜硝酸毒性は解糖系阻害・酸化ストレスによることを明らかにした。ナノテクノロジーを利用した作物生理計測・制御技術の開発では、1)三次元微細形状計測顕微鏡を利用した、大豆の縮緬じわ粒の種皮表面微細構造の計測技術を開発し、透水性が低い縮緬じわ粒では、透水性に関わる凸凹構造が少なく滑面化していることを見出した。
カテゴリ 有機栽培 診断技術 水田 大豆 データベース 土壌診断 にんじん 排水性 播種 リモートセンシング りんご

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