課題名 | 多種多様な栽培形態で有効な飛ばないナミテントウ利用技術の開発 |
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課題番号 | 2010015447 |
研究機関名 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 奈良県 和歌山県 大阪府環境農林水産総合研究所 徳島県 兵庫県立農林水産技術総合センター (株)アグリ総研 (国)岡山大学(大学院環境学研究科) |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | (1)人工飼料を開発し、飛ばないナミテントウの大量増殖系を確立した。近親交配による遺伝的障害を回避するため、系統間交雑を基盤とする飛ばないナミテントウの品質管理法を開発した。飛ばないナミテントウの飛翔能力の回復を防止するため、簡易選抜法を開発した。飛ばないナミテントウのアブラムシ捕食能力を解析し、シミュレーションによって最適な放飼のタイミングを明らかにした。温度条件の違いが、飛ばないナミテントウの生存や繁殖に及ぼす影響を明らかにした。(2)露地栽培と施設栽培の非結球アブラナ科野菜のアブラムシ発生初期において、飛ばないナミテントウの2齢幼虫および成虫の効果的な利用法を開発した。また飛ばないナミテントウ2齢幼虫の簡易放飼法を開発するとともに、飛ばないナミテントウ成虫および幼虫と併用可能な薬剤を選定した。トンネルニンジンにおいて、飛ばないナミテントウ成虫によるアブラムシ防除法を開発した。クワイ栽培条件において飛ばないナミテントウ成虫および2齢幼虫放飼の有効性が確認された。飛ばないナミテントウの株間移動を促進するため、歩行活動を補助する資材を導入し、その有効性が確認された。 (3)タバコガ類防除を目的とする防虫ネットを被覆した露地キク栽培において、飛ばないナミテントウ成虫および幼虫放飼によるアブラムシ防除効果を確認し、効果的な利用法を開発した。その有効性は、露地キク現地圃場でも実証された。露地シシトウの防虫ネット全面被覆条件下において、飛ばないナミテントウ成虫によるアブラムシ防除法を開発した。育苗期のシシトウに発生するアブラムシに対して、ナミテントウ成虫を放飼すると有効であることを明らかにした。幼虫放飼は防除効果が低いが、フラワーネットを利用して幼虫の移動分散を助けてやると効果が高まることを明らかにした。(4)3種アブラムシ類が発生した施設ナス栽培条件において、飛ばないナミテントウ成虫および2齢幼虫放飼による防除効果を確認し、放飼密度や放飼回数等の利用法を開発した。イチゴ栽培条件において、放飼した飛ばないナミテントウの移動・分散特性を把握し、畝毎に放飼することが効率的であること、成虫・幼虫のいずれを放飼した場合でも効果的にアブラムシを防除できることを明らかにした。飛ばないナミテントウ幼虫に影響の少ない気門封鎖型殺虫剤を選定し、アブラムシ多発時でも効果の高い、気門封鎖型殺虫剤を併用したアブラムシ類の密度抑制法を実証した。(5)飛ばないナミテントウ製剤を生産者が簡単かつ適切に使用できるようにするため、生物農薬の登録の目処のついた施設野菜類を対象に、飛ばないナミテントウの利用法を記載したマニュアルを作成した。 |
カテゴリ | 病害虫 あぶらな 育苗 いちご きく くわい 栽培条件 ししとう 施設栽培 なす にんじん 農薬 繁殖性改善 防除 薬剤 |