魚食によるメチル水銀のリスクと交絡因子の解析

課題名 魚食によるメチル水銀のリスクと交絡因子の解析
課題番号 2009014171
研究機関名 (独)水産総合研究センター
(国)東北大学
鹿児島大学
(独)農業・食品産業技術総合研究機構(食品総合研究所)
研究期間 2008-2010
年度 2009
摘要 (1)メチル水銀の毒性発現に関与する遺伝子群の同定が進み、ヒト由来のメチル水銀感受性およびメチル水銀耐性に関わる10種類の遺伝子が単離された。メチル水銀の毒性軽減に関与することが推定される有機セレン化合物が同定され、特異的トランスポーターによって、メチル水銀の細胞内取り込みと排出が生じる分子メカニズムが推定された。当初の計画に対して、メチル水銀の蓄積、代謝および毒性発現に関与する画期的な新知見が得られており、今後もメチル水銀の蓄積と毒性に関する分子機構の解析に関する研究の進展が期待できる。(2)メチル水銀の摂食に関してリスクの高いマグロ・カジキ類など魚介類の摂食した場合、メチル水銀の有害性の緩和に作用するベネフィットの要因を解明することを本課題は目指している。高度不飽和脂肪酸、セレン、血圧降下ペプチド等魚介類に豊富に含まれる栄養・機能性成分がベネフィットをもたらすことが推定されることから、このような魚食の機能性成分によるメチル水銀の毒性発現に対する影響を動物試験および疫学研究によって解析した。その結果、低レベルでのメチル水銀の曝露影響に関する新知見が得られている。マウス飼育試験では、少量のメチル水銀でも、マウスの脳機能に何らかの影響を与えているものと推察され、また摂取脂質により、水銀の蓄積動態が異なる可能性が示された。(3)システイン(0.1%,pH 7)を用いて,メカジキおよびクロカジキのおとし身を洗浄することによって筋原繊維に結合した水銀の大部分が除去された(メカジキ93%およびクロカジキ60%)。このことから、メチル水銀の除去にはシステインで処理したのち,水洗する工程が有効であった。クロカジキ肉では除去できない水銀が含まれるが無機態である可能性が考えられたので、クロカジキ肉の無機水銀の挙動、分布を明らかにする必要がある。システイン処理したクロカジキ肉由来のすり身を用いて、加熱すり身を試作し、ゲル化特性を評価した結果、従来の製法のすり身より、軟弱な物性を示した。システインによる還元作用によって、ゲル化が抑制されたと考えられた。
カテゴリ 機能性成分

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