課題名 | 加熱食品中のアクリルアミド生成に影響する要因の解明及び実用可能な低減技術開発 |
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課題番号 | 2009014258 |
研究機関名 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 (学)女子栄養大学 株式会社吉田園 (財)日本食品分析センター |
研究期間 | 2009-2011 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)各種米の炊飯とアクリルアミドの分析を行い、炊飯において生じるアクリルアミドを少なくするには、鍋肌への米の接触割合が多くなる少量での炊飯を避けたり、焦げ付きにくい素材の釜を使用するのがよいが、日本人の一般的な炊飯器での炊飯と平均的な米の摂取量では、炊飯米からのアクリルアミド摂取に関して特に注意を払う必要はないという結果が得られた。ブラウンルウ作製のモデル調理では、薄力粉を使用した方が強力粉を使用した場合よりもアクリルアミド生成量が少なく、緩慢加熱を行うと小麦粉温度が170~180 ℃に達した時のアクリルアミド濃度が、標準加熱の場合よりも高くなる傾向が見られた。(2)市販の麦茶に含まれるアクリルアミド含量の実態を調査したところ、調査点数計46点における最小値0.05 mg/kg、最大値0.41 mg/kg、中央値0.24 mg/kg、平均値0.24 mg/kgという結果であった。ガスクロマトグラフの恒温槽を用いて麦茶原料の大麦を焙煎したところ、温度200℃~220℃の焙煎でアクリルアミドの生成が最大となったが、この条件では麦茶にならず「麦こがし」と評価され、麦茶は温度240℃10分以上の焙煎で製造できた。(3)ポテトチップスのアクリルアミド濃度は、新イモが加工にまわる8月に最低値をとり、そのイモを長期貯蔵した後に加工する翌年2~6月頃に高くなるという季節変動が認められていたが、我が国における市場シェア1位の社の主要製品は2008年8月以降、またシェア2位の社の主要製品についても2009年8月以降アクリルアミド濃度の上昇が見られず、原料イモの貯蔵条件の制御のための態勢が整い、アクリルアミドの低減がはかれている可能性が示された。 |
カテゴリ | 加工 季節変動 小麦 長期保存・貯蔵 麦茶 |