課題名 |
第一胃内発酵制御因子の解明と栄養制御による産肉特性改善 |
課題番号 |
2011017538 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構
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研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,家畜生理栄養
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研究期間 |
2011-2015 |
年度 |
2011 |
摘要 |
家畜の初期成長期の栄養制御については、a)哺乳期の子ブタへのエネルギーとタンパク質の給与量を標準の50%に制限すると、胸最長筋の熱可溶性コラーゲン含量が高まることにより総コラーゲン含量が高くなるが、熱不溶性コラーゲン含量は変化しないことを明らかにした。初期成長中には、筋肉中のコラーゲン合成が栄養制限の影響を受けることを示した。b)産卵鶏雄ヒナの心筋、浅胸筋、筋胃ならびに肝臓における筋特異的タンパク質分解関連遺伝子アトロジン-1mRNAの発現量を比較したところ、筋胃における発現量が最も高く、さらに、筋胃におけるアトロジン-1mRNAの発現量は24時間の絶食により高くなり、再給餌後2時間で絶食前の値に低下することを明らかにした。c)成長中のラットに飼料中のリジン含量が不足した飼料を2週間給与したのち、リジン含量を充足した飼料の給与に切り替えると、代償性成長が誘発されることを明らかにした。また、飼料切り替え直後に骨格筋におけるタンパク質合成が増加し、タンパク質分解が減少していることを見出した。さらに、リジン充足直後にタンパク質合成を促進するインスリン様成長因子-I血中濃度が高まる一方で、タンパク質分解を促進するコルチコステロン濃度は低くなることを明らかにした。d)胎齢90日、生後0、12、26、45、75日齢のブタの胸最長筋における筋線維の発達過程を調べ、0~12日齢の発達が著しく、0日齢では観察されなかったIIb型(あるいはIIx型)筋線維が、12日齢では観察されることを見出した。また、12日齢におけるミオシン重鎖IIb型のmRNA発現量は、胎齢90日の400倍、0日齢の66倍であった。出生後10日程度の間に、ブタに特徴的な筋線維発達メカニズムが存在することを示した。 ルーメン発酵の制限因子の解明について、第一胃内細菌が発現する遺伝子を網羅的に解析したところ、種々の抗菌物質の合成または分解遺伝子、細胞内外における情報伝達セカンドメッセンジャーであるサイクリック-di-GMPの発現を検出した。さらに、繊維分解能力に優れるFibrobacter属の糖質加水分解酵素プロファイルの特徴を遺伝子発現レベルで明らかにした。
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カテゴリ |
育種
飼育技術
鶏
繁殖性改善
豚
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