課題名 | (4) 植物の耐虫性と害虫の加害性の分子機構の解明 |
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課題番号 | 2011017639 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
(独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,加害・耐虫機構研究ユニット |
協力分担関係 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 1. 吸汁性昆虫の唾液成分は、植物の師管液の吸汁成立に重要な役割を果たしていると考えられる。トビイロウンカとツマグロヨコバイの凝固性唾液は植物内において口針の周りを取り囲む口針鞘を形成するが、その構成タンパク質は分かっていない。そこで、アガロースゲル内に形成された口針鞘の可溶化を試みたところ、アルカリ、酸、界面活性剤、還元剤、さらにプロテアーゼ処理等により溶解することができた。漿液性唾液には多くの酵素類が含まれているが、この中でも特に活性が高く、ショ糖の代謝に関わるα-グルコシダーゼを、各種クロマトグラフィーによりツマグロヨコバイから精製し、400倍以上の精製度の活性成分を得た。2. インド型イネ品種由来のトビイロウンカ抵抗性遺伝子Bph26(t)の単離を行うために、高密度連鎖解析により絞り込んだ候補領域の配列を部分的に解読したところ、病害抵抗性遺伝子と類似の2つの遺伝子の存在が予測された。ゲノム上で連続するこの2つの遺伝子候補について相補性検定を行い、抵抗性の発現には2遺伝子候補両方を含む領域が必要なことを明らかにした。3. イネの抵抗性遺伝子に対するトビイロウンカの加害性因子を探索するため、まず、ウンカの排泄物(甘露)の量とpHでイネへの加害性を個体毎に検定する方法を確立した。抵抗性遺伝子Bph1, bph2にそれぞれ加害性を持つ2系統と、まったく加害性を持たない1系統について、遺伝的背景を均一にした系統を作出した。4. ウリ科野菜トウガンの師管液より精製した新規耐虫性タンパク質(BPLPと命名)をプロテアーゼで消化し、得られた部分アミノ酸配列から完全長cDNAをクローニングし、塩基及びアミノ酸配列を決定した。BPLPは、ウリ科植物師管レクチンPP2とアミノ酸配列で50%程度の相同性があるが、約150のアミノ酸残基の繰り返し構造を持ち、システイン残基を持たない点でPP2とは異なることが分かった。精製したBPLPは、0.005-0.01%の低濃度でエリサンやカイコの成長阻害活性を示した。5. 昆虫の加害に関わる因子とその作用機構を明らかにするため、植物に存在する糖アルコールであり、チョウ目幼虫での摂食促進作用が知られるイノシトールに着目し、昆虫の咀嚼及び飲み込みの運動リズムに与える影響を広食性カイコを用いて調べた。その結果、イノシトールはショ糖と混合することにより大顎を動かす筋肉や食道へ飲み込む口腔の筋肉の活動リズムをより速くすることが分かり、質の高い栄養源を速く摂取するための味覚刺激物質となっていると考えられた。6. カイコの口器感覚器官で発現するグリシンリッチタンパク質(GRP)の摂食等における役割を明らかにするために、遺伝子の発現パターンを調べたところ、齢期(摂食期)に発現し眠期前後に消失すること、幼若ホルモン類似作用物質により発現量が誘導されることが分かった。 |
カテゴリ | カイコ 害虫 抵抗性 抵抗性遺伝子 とうがん 病害抵抗性 品種 |