摘要 |
ノーザンハイブッシュブルーベリー(NHB)とラビットアイブルーベリー(RB)の種間雑種(F1)の中から高pH土壌適応性の高い個体が得られている。これらの個体の耐乾性,交配中間母本としての実生生産効率および台木として利用するための適性について評価を行った。8月19日~9月7日の20日間,圃場に雨よけを設置し灌水を停止する乾燥処理を行い,土壌含水率,葉の水ポテンシャル,新梢の伸長量を比較した結果,個体名「SpHo-S65G-8」は土壌含水率40%以下で水ポテンシャルの低下が起こらず,新梢伸長量が多いことから,耐乾性が強いことが明らかになった。17個体を種子親または花粉親としてNHB品種「スパルタン」と正逆交配を行った。その結果,個体名「ElTi-S65G-38」,次いで「BeTi-S65G-10」で交配1花あたり実生数が多く,効率的に後代の実生を得ることができた。4個体を台木品種,SHB「サンシャインブルー」を穂木品種として接ぎ木試験を行った。また,高pH土壌適応性種間雑種4個体の挿し木試験を行った。その結果,個体名「BeTi-S65G-8,ElTi-S65G-31」は,接ぎ木試験の3ヵ月後における穂木生存株率,新梢伸長株率,新梢長および,挿し木試験の4ヵ月後における発根株率が高く,HBの台木品種として有望であると判断された。
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