流通形態に対応したモモの鮮度保持技術の開発

課題名 流通形態に対応したモモの鮮度保持技術の開発
研究機関名 山梨県果樹試験場
研究分担 生理加工科
研究期間 新(H23)~(H25) 、新(H23)~(H25)
年度 2011
摘要 (1)鮮度保持技術の改善
、1) 低温貯蔵による鮮度保持効果の検討
、-1℃の低温貯蔵におけるモモの貯蔵性について検討した。「白鳳」は貯蔵35日目、「浅間白桃」は貯蔵42日目、「幸茜」は35日目までやや香りは低下するが貯蔵が可能であった。5℃貯蔵における貯蔵日数は、「白鳳」は5日目、「浅間白桃」は10日目、「幸茜」は10日目までであり、「白鳳」の貯蔵性は低かった。 また、-1℃貯蔵の出庫後の日持ちでは、保冷温度が15℃では3日程度と短かった。出庫後5℃保冷では、出庫10日目まで硬度や食味が維持され、糖度もやや高くなる傾向があり、長期貯蔵後の保冷温度の検討も必要と考えられた。また、長期貯蔵する場合は、果肉障害や赤肉のモモは果肉の変色や異臭が発生するため、品種の選択に留意することが必要と考えられた。
、2)エチレン作用阻害剤による検討
、エチレン作用阻害剤である1-MCPの処理効果について検討した。処理後5℃貯蔵では、「浅間白桃」、「なつっこ」で処理効果が高く、無処理区と比較し、5~7日程度貯蔵性に優れていた。特に、「なつっこ」では他品種と比較し、5℃貯蔵における貯蔵性が高い傾向があった。「幸茜」は果肉が粉質化しやすく処理効果はみられなかった。また、処理後-1℃貯蔵は、各品種とも貯蔵中の処理効果はみられなかったが、出庫後の硬度の低下がやや抑制される傾向があった。
、3) 鮮度保持資材によるモモ鮮度保持試験
、「幸茜」において、エチレン吸着剤及びガス制御フィルムを使用した鮮度保持効果について検討した。5℃貯蔵では、ガス制御フィルムで果実硬度が維持され14日目までの貯蔵が可能であったが、出庫直後の気温の上昇に伴い異臭が発生し食味が劣った。-1℃貯蔵では、エチレン吸着剤が無処理と比較しやや硬度の低下が抑制できたことから、出庫後の日持ち性も含め今後検討する必要があると考えられた。また、ガス制御フィルムは硬度の低下を抑制するが、異臭が発生するため、フィルムの酸素透過量をやや高くした状態での検討が必要と考えられた。
、4) 機能性冷蔵庫を利用した鮮度保持効果の検討
、冷蔵庫内に電流を流し鮮度保持を行う電場式冷蔵庫を使用し、その効果を検討した。「浅間白桃」、「幸茜」において、-1℃、-3℃で慣行冷蔵庫と比較した。電場式冷蔵庫は、硬度や香りでは慣行冷蔵庫と大きな差はないが、糖度が高く食味に優れる傾向がみられた。
、5) 機能性冷蔵庫を利用した低温処理によるモモシンクイガへの影響
、電場式冷蔵庫の-3℃及び慣行冷蔵庫の-1℃で被害果実を貯蔵し、シンクイガの死虫率を調査した。その結果、貯蔵21日後の段階で電場式冷蔵庫、慣行冷蔵庫ともにモモシンクイガを100%死滅させることはできなかった。氷感庫がモモシンクイガへ与える影響は少ないと考えられた。
、6) CAS冷凍を利用した鮮度保持効果の検討
、CAS冷凍は磁場等を利用し凍結することにより、鮮度を保持する技術である。モモでは、解凍時に果肉が褐色化し、食味が低下することが問題である。そこで、「幸茜」を使用し、解凍方法について検討した。その結果、-40℃の低温凍結と 酸化防止剤のアスコルビン酸の処理により果肉の変色を90分程度抑制したが十分な効果とはいえなかった。また、肉質が収穫時と異なりゴム質になった。このことから、収穫時のような果実の状態に戻すのは難しいと考えられた。また、果実をカットして凍結した場合、半解凍のようなやや冷たい状態であれば食味が良好であり、加工品として長期貯蔵して利用することが可能と考えられた。
、(2)モモ香気成分の消失及び要因の解明
、1)品種による貯蔵期間中の香気成分量
、「浅間白桃」について、貯蔵期間中の香気成分の変化について検討した。その結果、貯蔵14日目にモモ独自の香り
、ピークに達し、その後は次第に少なくなった。貯蔵35日目になるとカラメル様の異臭が発生し香りが低下した。
、 また、「幸茜」については現在分析中である。今後、香気化合物の同定も行う。
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カテゴリ 加工 果肉障害 機能性 鮮度保持技術 長期保存・貯蔵 品種 もも 良食味

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